THINK2016.11.22

あの名画が広告に?美術品を使った海外のユニークな広告事例知名度抜群の名画を使ったビジュアルで目を惹く広告をご紹介

松野 正也

株式会社アマナイメージズ
取締役

ビジネス誌『The Economist』の表紙に使用された「テュルプ博士の解剖学講義」(レンブラント/マウリッツハイス美術館) 提供:ブリッジマン

いま日本は、空前の美術ブームと言われています。各地で美術展が開催され、連日長蛇の列というものも珍しくありません。2011年に施行された「美術品の政府補償制度」により美術展開催が盛んになったことが一因とも言われていますが、江戸時代に大衆文化として広まった浮世絵の隆盛からも窺えるように、日本人は階級や老若男女を問わず美術に対する関心が高いのでしょう。

そんな我が国ですが、実は美術品を使った広告は多くありません。一方、海外では誰もが知っている美術品を取り入れ、話題性のある広告展開に成功した事例が多くあります。

今回は、その中から注目すべき事例をご紹介します!

 


誰もが知っている名画を使ったインパクトのあるビジュアル


「真珠の耳飾りの少女」は映画の題材にもなり、フェルメールの代表作として広く知られています。憂いのある表情、濡れたように輝く唇、闇に浮かびあがる真珠の耳飾り、そして印象的な青いターバン。この鮮やかな青はラピスラズリに含まれるウルトラマリンという顔料に由来し、「フェルメール・ブルー」と呼ばれフェルメール作品の特徴の一つとなっています。別名「青いターバンの少女」とも言われるこの作品ですが、上下を見比べると何か違います。鮮やかなフェルメール・ブルーのターバンが、タオルになっているのです!

ホームウェアブランド「Zucchi」の広告に使用された「真珠の耳飾りの少女」(フェルメール/マウリッツハイス美術館) 提供:ブリッジマン

 

これはイタリアのホームウェアブランド「Zucchi」の広告ですが、ターバンをタオルに変えることで、気付いた人がくすっと笑ってしまう知的な遊び心に溢れたビジュアルになっています。また絵画の持つ普遍的な価値を広告に取り入れることで、老舗ホームウェアブランドとしての格式を印象付けています。

ジョルジョーネの「眠れるヴィーナス」を使ったZucchiの同じ広告シリーズでは、ヴィーナスの横たわるリネンがZucchiの製品になっています。

ホームウェアブランド「Zucchi」の広告に使用された「眠れるヴィーナス」(ジョルジョーネ/アルテマイスター絵画館) 提供:ブリッジマン

 

絵画史上の革命ともいわれるこの作品の本質を変えることなく、ヴィーナスのリネンを自社製品に置き換えた心憎い演出です。
 

歴史的背景を取り入れたメッセージが伝わる広告


今日では全世界で愛される印象派美術ですが、19世紀後半にこの芸術運動が興った当時は激しい批判にさらされていました。その当時、後の印象派の巨匠たちを支援しパトロンとなったのが裕福な美術蒐集家カイユボットでした。カイユボットは自身も画家で、パリに暮らす人々の日常生活や都市風景を多く作品に残しています。

そのカイユボットの描いた風景に現代の女性が入ってしまった広告がこちら。

ファッションブランド「elena miro」の広告に使用された「パリの通り、雨(スケッチ)」(カイユボット/マルモッタン・モネ美術館) 提供:スカラ

 

プラスサイズのファッションブランド「Elena Miro」の広告では、ふくよかな女性が活き活きと19世紀のパリの街を歩いています。この広告では、豊かな体型に美しさを見出した印象派の美意識を現代に蘇らせているのかもしれません。また、第二帝政時のパリ改造で飛躍的に近代化した都市を描いたカイユボットの作品からは、現代的な感性や時代の変革を読み取ることもできます。“いつの時代も(どんな体型でも)女性は美しい”というメッセージや、自立した現代的な女性像が伝わってくる広告と言えるのではないでしょうか。

このように絵画の持つ歴史的な背景を取り入れることで、単なる物珍しさだけではない、コンセプトの伝わる広告展開が可能になるかもしれません。
 

画像の入手はどうするの?

有名な美術品を使って広告を作りたいと思ったとき、どこで、どのように画像を入手すればよいのでしょうか?海外の美術館に問い合わせるのは大変そうです。
 
ご安心ください。これらの美術品の画像はアマナイメージズでストックフォトとして取り扱っています。サイトで時代や様式、所蔵美術館別に作品を検索し、オンラインで簡単に購入することが可能です。さらに、サイト未掲載の作品でも「アートリサーチ」サービスで作品の所在や所有者の調査、使用許諾交渉、データの取り寄せの代行も可能です。

 

amanaiages ファインアート専門ページ http://amanaimages.com/fineart/


気になる権利処理は?

美術品を広告に取り入れる際、気になるのは著作権をはじめとする権利の処理でしょう。

まず確認すべきは、使いたい作品が著作権保護期間内かどうか、ということです。保護期間中の作品は著作権者の許諾なしに使用したり、改変したりすることはできません。このような場合は、アマナイメージズの「ライツクリアランス」で使用交渉の代行が可能なので、ご相談ください。
 
次に、著作権保護期間満了後、誰でも自由に使える「パブリック・ドメイン」という状態になった場合ですが、こちらも少し注意が必要です。ストックフォトの場合、作品情報にさまざまな注意や使用条件が記載されていますので、必ずそれを確認しましょう。作品や用途によっては所蔵美術館への使用確認が必要な場合もありますが、アマナイメージズでは美術館・財団公認の作品や美術専門ソースからの作品を中心に取り扱っていますので、そのような確認もスムーズです。
 

 


長い年月を経てもなお色褪せず、世界中の人々に愛される名画の数々。広告に取り入れるのは意外に難しくありませんので、検討してみてはいかがでしょうか?きっと、いつもと一味違う広告表現が可能になることでしょう。
 
 
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●美術品の権利についての詳しい解説はこちら
 

プロフィール

松野 正也

株式会社アマナイメージズ
取締役

2007年アマナホールディングスに入社、コーポレートコミュニケーション室にてCI/VI開発、IRツール、インナーコミュニケーションツール等の制作を担当。2009年からamanaimages.comのデザイナーとして自社サイト運営を担当。現在は、主に広告制作マーケットに向けたストックフォトの仕入れ、制作とWebプロデュース部門を担当している。

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