STUDY2017.2.24

応募者2300人超。「ハーゲンダッツファンの集い」成功の秘密食ブランドを広め、ファンをつくる「ちょっとひと手間」とは?

金澤 亮

株式会社アマナ
コーポレートビジネス本部 チーフプロデューサー

出典:“Sweet Masterpiece ~ハーゲンダッツクリスマスパーティ”

初めまして。アマナ コーポレートマーケット事業部の金澤です。私は主に食品メーカーや飲料メーカーのお客様と仕事をする機会が多く、商品のマーケティングやプロモーション、時には商品開発にも携わることがあります。
 
そうしたなか、お客様からたびたび頂くのが「何かよいプロモーション施策はないか?」、「どのように購買につなげていったらよいか?」というご質問です。今回は私なりに考えた食品プロモーションのヒントをご紹介します。

 

食のスタイルはさまざま。従来のプロモーションだけでは限界に

突然ですが、みなさんは「食卓」という言葉からどんなイメージを思い浮かべますか? 「サザエさん」に出てくるような、家族全員がそろってわいわい会話しながら食事するシーンでしょうか?
 
実際、ひと昔前までは食卓といえば家族の交流の場だったのですが、今では単身世帯も増え、「家族全員でテーブルを囲んで…」という機会は少なくなってきています。
 
内閣府の調査でも、家族と一緒に夕食を食べる頻度について「ほとんどない」、「週に1回程度」と答えた人が全体の約15%。

出典:内閣府「食育の現状と意識に関する調査」

1人で食事する「孤食」や、家族が別々のものを食べる「個食」も増えてきており、「食卓」という言葉自体、存在感が薄くなってきている気もしますよね。
 
食のスタイルが多様化するにつれて、食のプロモーションのあり方にも変化が求められています。食のプロモーションといえば試食会(サンプリング)が一般的ですが、最近ではスーパーの食品売り場やデパ地下で試食会を開催しても、狙い通りの成果をあげるのが難しくなってきているようです。
 
たとえその場で「おいしい」と言ってもらっても、その人の食スタイルにマッチするか、継続的に購入してもらえるかというのは別問題。それが食品・飲料メーカーの方たちの悩みのタネでもあるんです。

ちょっとひと手間が、"付加価値"になる

そうしたなか、やはり大切になってくるのが付加価値です。ただ食べてもらうのではなく、どのように味わい、楽しんでもらうか食品にまつわるライフスタイルまで提案し、ファンをつかんでいくアプローチがカギになってきます。
 
もちろん付加価値といっても大げさに考えることはありません。イベントにちょっとひと手間加えて、ブランドの世界観を表現したり、食品の意外な楽しみ方やサプライズを提供したり……。

今回ご紹介するハーゲンダッツの事例は、多くの食品・飲料メーカーの方にとってヒントになるのではないでしょうか?

 

「ハーゲンダッツファンの集い」

ハーゲンダッツでは、コミュニティー会員に向けて「ハーゲンダッツファンの集い」というイベントを定期的に開催しています。

最新のイベントは、神戸にあるカフェレストランを使って「ハーゲンダッツと世界を巡る、至福のひと時」というテーマで行われました。

 

 

会場はハーゲンダッツブランドにまつわるアイテムでデコレーションされ、BGMには中条あやみさんが出演するCMの曲を使用。身近だけどラグジュアリーでつい憧れてしまう、そんなハーゲンダッツの世界観を感じることができます。

 

 

 

参加者が主体になる企画で、能動的に楽しんでもらう

イベントでは、フードスタイリストがテーマに沿ってセレクトしたお皿が用意され、参加者それぞれに、世界各国をイメージしたイベントオリジナルメニューが提供されました。メニューは試食を重ね、何種類もの候補の中から、ハーゲンダッツのアイスと食材がともに活きる、スペシャルメニューが選ばれたようです。

また、ハーゲンダッツのアイスを自由にトッピングし、「ハーゲンダッツアート」を制作できる体験や、"真のハーゲンダッツファン"を選ぶ、「The Best゛Haagen-Dazs Lover゛を探せ!」と題したハーゲンダッツにまつわるクイズを実施するなど、参加者1人1人が、自らアレンジできたり体験できる企画にすることで、イベントをより能動的に楽しんでもらう仕組みを実現しています。 

 

 

 

「ハーゲンダッツファンの集い」は、イベントとして規模が大きいわけでもなく、大々的に告知された訳でもありません。それでも2300人以上の応募があり、多くの方が参加されたのは、やはりイベントそのものが五感で楽しめる場になっていたからだと思います。
 
普段はパッケージ商品を買って食べることしかできない食品でも、こうしたイベントをちょっと工夫することでブランドの世界観を表現し、新しい楽しみ方や消費者が予想もしていなかった体験を提供できます。それこそが、食ブランドが共感を得て、消費者をファン化するための秘訣なのではないでしょうか。食品・飲料のプロモーションに悩んでいらっしゃる方は、ぜひ今回の事例を参考にしてみてください。

プロフィール

金澤 亮

株式会社アマナ
コーポレートビジネス本部 チーフプロデューサー

2006年アマナに入社。
飲料・食品業界を中心に、グラフィック、WEB、映像、イベントなどの広告物企画制作からインナーコミュニケーションまで、企業における様々な領域でビジュアルコミュニケーションのプロデュース業務を担当。

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