STUDY2017.1.27

【VR活用事例】VRでアイコンタクト!? 次世代VRが創る未来テクノロジーがもたらす、"VR体験"から"VR活用"へのシフト

岡本 崇志

株式会社アマナ
プロデュースDiv./VRコンテンツ戦略チーム 執行役員

こんにちは。VRコンテンツ戦略チームの岡本です。

VR「バイオハザード7」も発売され、盛り上がりを見せるVR。最近ではテレビのバラエティ番組でヘッドマウントディスプレイやVRコンテンツが紹介される機会も増え、多くの方に浸透してきているように思います。

そうしたなかテクノロジーに目を向けてみると、近い将来のVRを大きく変える可能性を秘めた技術がどんどん登場し始めています。
 
そこで今回は、私がとりわけ注目している3つの技術についてご紹介します。

 

CASE1)
VR空間でアイコンタクトできる「SMI Social Eye」

1つ目は、ドイツのSensoMotoric Instruments(SMI)社が発表した「SMI Social Eye」というシステムです。

SMI社は20年以上にわたってアイトラッキング(視線追跡)技術の開発に取り組んでいる企業。消費者の視線の位置を示すメガネ型デバイスや、アスリートの眼球の動き解析するアプリなど、神経科学、スポーツ、マーケティングといった多岐にわたる分野に製品を提供しています。

 

今回発表された「SMI Social Eye」は、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザーの眼球の動きを検知し、VR空間のアバターに反映させるというもの。動画を見ていただくと、ユーザーの視線の動きとアバターの表情が完全にリアルタイムで連動しているのが分かりますよね? SMI社はこの開発にあたってOculus Rift、HTC Vive、Gear VRを使い、25万人ものモニターによる実験を行ったそうです。
 
この技術を使えば、VR空間上でユーザー同士がアイコンタクトだけでコミュニケーションがとれるようになります。また、VRの特徴である視線と連動するインタラクションからさらに1歩踏み込んで、ユーザー(アバター)の表情によってオブジェクトが出現したり、表情から読み取れる感情に応じてステージが分岐したりといったこともできるようなるかもしれません。
 
「SMI Social Eye」のアイトラッキング技術がもたらす“表情”、“感情”という要素によって、VRコンテンツはますます奥深いものになっていきそうです。

CASE2)
5本の指の動きを別々にトラッキング。「Noitom Hi5」

続いては、中国のNoitom社が「CES 2017」に向けて発表したVR用グローブ型コントローラー「Noitom Hi5」です。5本の指の先端と手の甲の部分に合計6個のセンサーが付いています。
 
これまでも手の位置を検知する技術や、疑似的に手を動かせるスティック型コントローラーはありましたが、「Noitom Hi5」の特徴は5本の指の動きを別々に検知できること。

出典:Noitom Hi5 Part3

 

上のデモ動画でも紹介されているように、これによって親指と人差し指で小さいモノをつまんだり、指先ではじいたりといった操作が可能になります。描写力の高いコンテンツなら、VR空間そのものをピンチイン・ピンチアウトして拡大・縮小することもできるかもしれません。
 
コントローラーの性能は、VRコンテンツへの没入感を高めるうえでとても大切な要素。5本の指をそれぞれ別々に動かせる「Noitom Hi5」は、エンターテインメント分野はもちろん、指先の微妙な感覚が求められる専門職のトレーニングや、モノづくりのシミュレーターとしても活用できるのではないでしょうか?
 
Noitom社によれば、販売価格300ドルで2017年6月にリリース予定とのこと。日本での販売も検討されているようで、今から楽しみです。

CASE3)
ドローンとの融合で変わるVR体験。「FLYBi」

最後にご紹介するのは、アメリカのAdvance Robotix社が開発したVRゴーグル対応ドローン「FLYBi」です。底の部分に360°カメラが搭載されていて、専用ゴーグルを装着した操縦者の視線と連動して全周囲を撮影します。
 
空撮した360°映像はもちろんVRコンテンツの素材として使えるのですが、私がそれ以上に注目しているのは、これによってVRの領域というか、楽しみ方が大きく変わってくるのではないかという点です。

出典:Flybi - First Drone With Virtual Reality Goggles

関連記事「2017年のデジタルクリエイティブはこれが来る!」でも、仮想空間的な現実(リアル・バーチャリティ)の事例としてドローンレースが紹介されていました。この「FLYBi」もそれに近く、リアルタイムな360°空撮映像によって、ドローンを飛ばすこと自体がある種の仮想現実的な体験、VR的なコンテンツとして受け入れられていくような気がします。
 
「FLYBi」はクラウドファンディングIndiegogoで目標金額の4.5倍以上となる約159,000ドルを獲得しています。期待の大きさがうかがえる数字ですよね。

 

当初エンターテイメントとして話題になったVRも、テクノロジーの進化を受け、様々な業界で活用の幅が広がり、未来をも変える可能性が生まれています。これまでは、VRによる"体験"が主役として考えられてきましたが、今後は企業活動においても、"効果的なツール"としての活用が求められそうです。

今もなお、多くのクリエイターや企業がVRに参入を続けるなか、3年後、5年後には今からは想像もつかないような世界が体験できるようになっているかもしれませんね!

私も日々、最先端の技術に触れながら、新たな企画や制作を通じて、その可能性を広げていきたいと思います。

プロフィール

岡本 崇志

株式会社アマナ
プロデュースDiv./VRコンテンツ戦略チーム 執行役員

2000年アマナ入社。
企業の広告キャンペーンのビジュアル・TVCM・Web等、プロデューサーとして幅広いコンテンツの企画・制作プロデュースを担当。

現在はVRコンテンツの企画・制作を行うプロジェクトチームのリーダーとして、企業活動におけるテクノロジー活用を模索し、ビジュアルコンテンツを軸に様々な提案やセミナー等を行う。

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