STUDY2017.2.28

何気ない景色や日常をコンテンツに! VRで地域ブランディング仮想現実で伝わる地域のリアルな魅力。南あわじ市と北広島市の事例

岡本 崇志

株式会社アマナ
プロデュースDiv./VRコンテンツ戦略チーム 執行役員

出典:VR Inside VRの未来を創るビジネスメディア

こんにちは。VRコンテンツ戦略チームの岡本です。地域の魅力をどのように発信していくか―。これは自治体や地域に根ざした企業の永遠の課題かもしれません。WebサイトやSNSなど方法はいろいろありますが、魅力をダイレクトに体験してもらうという点ではVRも効果的な手法の1つです。
 
最近では地方自治体自らがユニークなVRコンテンツを発信することが増え、経済産業省も地方自治体のVR動画制作を支援するプロジェクトを推進しています。単なる観光プロモーションから1歩踏み込んだ、VRの特性が活かされた2つの事例をご紹介します。

 

CASE1)兵庫県南あわじ市「バーチャン・リアリティ」

兵庫県南あわじ市は、ふるさと納税や移住促進のPRとして2017年1月にVRコンテンツを楽しめる特設サイト「バーチャン・リアリティ」を開設しました。

出典:南あわじ市「バーチャン・リアリティ」

動画は「朝ごはん篇」と「夜ごはん篇」の2種類。民家のテーブルに淡路ビーフやタマネギいった南あわじ市の特産品が並び、おばあちゃんやお父さんに声をかけられながら、実際に家族の一員として食卓を囲んでいるかのような体験ができます。

出典:【360°動画】あわじ国バーチャン・リアリティ 夜ごはん篇

特設サイトでは動画に登場した5種類の料理のレシピと、食材を紹介するコンテンツも公開。さらにふるさと納税をした人のなかから先着200人に簡易VRゴーグル「ハコスコ」のオリジナル版をプレゼントするという企画もスタートしました。
 
従来の動画では、こうした家族の団らんの様子や食卓の風景を配信しても雰囲気や温度感が伝わり切らず、面白みを感じてもらうのは難しいものです。地域の日常生活の風景がそのままコンテンツとして成り立つのは、見る人の視点にあわせて360°映像が展開するVRならではですね。

CASE2)北海道北広島市 VRサイクリングロード

続いてご紹介するのは、北海道北広島市のVRコンテンツです。

出典:VR Inside VRの未来を創るビジネスメディア

北広島市は2016年11月に開催された日本最大級のスポーツ自転車イベント「CYCLE MODE international 2016」に、同市のサイクリング専用ロード「エルフィンロード」を紹介するVRコンテンツを出展しました。VRゴーグルを装着してブースに設置した自転車にまたがると、4Kの360°映像で「エルフィンロード」でのサイクリングを疑似体験できます。

出典:自転車で、北広島を走る。[北海道北広島市に行った気になれるVRコンテンツ]


観光・地域振興はVRの導入が進んでいる分野の1つです。ただ実際のコンテンツに目を向けてみると、有名な建築物や景勝地の映像をただつなぎ合わせただけで、VRの強みを活かし切れていなかったり、VR化する必然性があまり感じらなかったりするものも多くあります。
 
それに対してこの北広島市のVRコンテンツはVRの特性が活かされています。真っすぐに伸びた広い道、そこを走り抜ける疾走感、周囲を取り囲む北海道の雄大な自然……。地域ならではの魅力が、高精細の4K・360°動画で表現されています。
 
北広島市はYouTubeに「きたひろ~北海道北広島市に行った気になれるVRコンテンツ~」というシリーズの動画を公開するなど、早くから地域PRや移住促進にVRを活用してきました。このコンテンツにもそうした施策で培ってきたノウハウが活かされているのかもしれません。
 
VR制作は1度切りで終わりにするのではなく、北広島市のように試行錯誤と改善を続けていくことで、VRの強みが活かされたより質の高いものになっていきます

 

VRは地域ブランディングに広く活用され始めています。

2016年9月に開催された日本最大級の観光イベント「ツーリズムEXPOジャパン」でも、石川県のキリコ祭りのVR動画など多くの自治体がVRコンテンツを出展しました。自治体自らがVRを活用しはじめたのは、VRがテクノロジーではなく情報発信の手段として根付き始めている証拠かもしれません。ただVRが一般的になってくると、やはりクオリティで差が出ます。「VR」というだけでは勝負できなくなってきます。
 
地域ブランディングでは何気ない景色や日常的な風景がコンテンツになることが多い分、きちんと見せ方を考え、作り込まないことには、視聴者を引き込むことはできません。動画の構成、描写、レンダリングの精度……、技術的な点も含めて詰めなければいけないポイントは多くあります。
 
また、北広島市のようにチャレンジを続けていくことも大切です。さらに今後は複数ユーザーでの体験共有や、視覚・聴覚以外へのアプローチも注目されていくでしょう。

場所を越えた体験ができるVRを情報発信の手段としてただ取り入れるのではなく、何をどのように見せ、どんな価値を届けるかー。弊社でも企画から相談を受け付けているので、初めてVRに取り組む方は気軽にお問い合わせください。

プロフィール

岡本 崇志

株式会社アマナ
プロデュースDiv./VRコンテンツ戦略チーム 執行役員

2000年アマナ入社。
企業の広告キャンペーンのビジュアル・TVCM・Web等、プロデューサーとして幅広いコンテンツの企画・制作プロデュースを担当。

現在はVRコンテンツの企画・制作を行うプロジェクトチームのリーダーとして、企業活動におけるテクノロジー活用を模索し、ビジュアルコンテンツを軸に様々な提案やセミナー等を行う。

問い合わせをする

Page Top