THINK2017.5.25

テクノロジーが創り出す、ビジュアル表現の可能性プロトタイピングラボラトリー「FIG LAB」とは?

新村 卓宏

株式会社アマナデザイン
マネージャー テクニカルディレクター

 

インターネットやスマートフォン、SNSの普及などによって、私達の生活スタイルは大きく変わりました。コンテンツの制作現場においても、媒体が増加したのはもちろん、新しい技術やデバイスを利用したプロモーションなど、今までの枠にとらわれない制作が求められるようになりました。
 
「半導体の集積密度は18カ月ごとに倍増する」というムーアの法則が提唱されてから約半世紀。コンピュータの高速化、小型化、低価格化が劇的に進み、日々、デジタル技術の進化は指数関数的に大きくなっています。
 
そんな時代に対応するため、テクノロジーを利用した表現を開発・制作することを目的として、FIG LABは誕生しました。2014年からスタートしたFIG LABの主な活動を、LABディレクターの新村卓宏がご紹介します。

 

FIG LABが目指すのは

FIG LABは大きく分けて、2つの方向性で活動を行っています。
 
1) 企業/ブランドのプロモーション活動のためのデジタルコンテンツ制作
新しいインタラクションデザインを実現するため、五感に訴える空間インスタレーション、プログラムによってインタラクティブに生成される映像表現など、さまざまなコンテンツを制作。
 
2) R&D(Research & Development)と呼ばれる研究開発
ロボティクス=ロボット工学や最新デバイス、テクノロジーを利用したビジュアルコミュニケーション表現の研究と開発。
 
こういった活動方針にのっとり、プロジェクトがスタートしてから3年の間に、さまざまな実績を作ってきました。いずれも、既成のフレームワークにとらわれないビジュアル表現を実現しています。
 
今日はこの中から、いくつかの事例をご紹介します。

 

Case1:
CONNECTION – Yokohama North line –

「CONNECTION – Yokohama North line -」は、首都高の新路線[K7]横浜北線のオープニングイベントで実施された、プロジェクションマッピングコンテンツです。横浜に新しい高速道路が開通し、ヒト・モノ・コトがつながり、新しい価値が生まれてくることを「つながる/CONNECTION」という映像コンセプトと設定して、コンテンツ制作を行いました。 

出典:FIG LAB WORKS 「CONNECTION – Yokohama North line -」

トンネルという特殊な環境を生かし、左右の壁面への投影とそれに合わせて設計された環境サウンドによって、映像と音に包まれたコンテンツを体感できるような空間を構築しています。

Case2:
PERCEPTIBLE FACTS

“PERCEPTIBLE FACTS”は、JAXAが持っている、人工衛星や観測センサーの多様な画像を分解/データ化/再構成し、モーショングラフィック化した映像作品です。その画像群に関連したフィールドレコーディング音源を3次元で届け、地球の動きを人々の感覚に伝えます。

画像・動画出典:FIG LAB WORKS「PERCEPTIBLE FACTS」

データだけであればただの数値ですが、それを映像作品に仕立てることで見た人の五感に訴えかけ、地球の今の姿をビジュアルにしてわかりやすく伝えることができました。
 
この作品はJAXA×電通主催の「未来共創セミナー」にて発表されました。

Case3:
Rhythmic gymnastics | DENSO VS-050S

ロボットアームを用いて、新体操のリボン演技の実証実験を行った映像作品。

出典:FIG LAB WORKS「Rhythmic gymnastics | DENSO VS-050S2」

美術館での「動き」に関する展示のために、企画・制作をした作品です(さまざまな事情により、最終的には展示を行わなかったため、自主的に映像作品を制作)。
あらかじめ、さまざまな新体操のリボン演技に共通するベーシックなテクニックを選別し、それぞれの動きをソフトウェア上でシミュレーションしました。ロボットアームでその動きを再生することで、実際の物理空間上でリボンがどのように動くのかを確かめながら、新体操選手の実際の動きに近づけていきます。
 
本来、人が感覚的に行っている動きを科学的にとらえ、アルゴリズム化することで演技の体系化を目指しました。
 
最終的に6つの動きを実現し、それぞれを繋ぎ合わせて一つの演目とし、映像に記録しました。

 

デジタル技術の進歩は今やとどまることはなく、VR(仮想現実)やMR(複合現実)、IoT(Internet of Things:物とインターネットがつながる)などにおけるデバイスの進化はまったなしです。それに伴って、ビッグデータの活用やよりわかりやすいビジュアライゼーション、機械学習やディープラーニングがさらに発展し、やがて人工知能(AI)も実現して、私達の生活に浸透していくでしょう。
 
FIG LABは、デジタル技術を利用した表現の研究と開発、作品の制作を行い、デジタル技術の進歩に併せたビジュアル表現を追求していきます。企業やブランド、地域などのプロモーション活動にも、ぜひお役立てください。

プロフィール

新村 卓宏

株式会社アマナデザイン
マネージャー テクニカルディレクター

制作会社にてWeb制作の経験を積み、2006年にアマナ入社。Flash制作、ディレクターを経て、FIG LABの立ち上げに参画。
現在はFIG LABのリーダーとして、企業やブランドのプロモーションコンテンツ制作におけるプランニング・テクニカルディレクションを幅広く手掛ける。
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