THINK2017.10.3

ストーリーを運ぶドローン。思わず引き込まれるおすすめ空撮映像5選

横濱 和彦

株式会社アマナフォトグラフィー
TSC マネージャー

 

ドローン撮影では被写体選びや操縦テクニックと合わせて、全体の構成やBGMに気を配るのがとても大切。大自然のパノラマ風景など、スケール感や臨場感を届けられるのがドローン映像の魅力ですが、それだけにこだわり過ぎると単調な映像になり、視聴者を飽きさせてしまうことがあるからです。
 
2016年に開催されたドローン動画コンテストで、優秀賞を受賞したドローンフォトグラファー・長塚誠さんの作品は、企画力・構成力が活かされたストーリー性の高いものばかり。長塚さんのYouTubeチャンネル「空人ちゃんねる」から、とりわけ見ていただきたい5つの作品をピックアップしました。

 

1『癒しの島 与論島』 

最初にご紹介するのは、長塚さん自身の「また行きたい場所ランキング1位」という、鹿児島県与論島のドローン映像。コバルトブルーのビーチと、マリンアクティビティを楽しむ人達を捉えた作品です。

出典:【ドローンで4K空撮】癒しの島 与論島 Phantom4Pro

この作品で注目したいのは、全体がとてもメリハリの効いた構成になっていること。ビーチの俯瞰的な映像だけでなく、アップテンポなBGMに合わせてつないだ連続カットが心地よいリズムを生んでいます。随所に散りばめられたタイムラプスやキャプションも、アクセントになっていますよね。

2『大自然を満喫!信州 北アルプス乗鞍高原 乗鞍岳』

こちらは長野県の乗鞍高原のドローン映像。天候に恵まれず、当初の目的だった紅葉は撮影できなかったそうですが、それでも自然が持つさまざまな顔を捉えた素晴らしい作品になっていると思います。

出典:【ドローンで4K空撮】 大自然を満喫!信州 北アルプス乗鞍高原 乗鞍岳 DJI Inspire1

自然風景をドローンで撮影するとどうしても俯瞰的な映像が多くなり、単調な印象を与えがちです。この作品は横移動→前進、回転→後退といったように、ドローンの異なる動きで撮影されたカットを組み合わせることでそれを避け、視聴者を飽きさせない構成に仕上げています。
 
全体的にとても静かなトーンで、人や動物はまったく登場しないにもかかわらず、つい最後まで引き込まれて見てしまうのではないでしょうか。

3『ドリフトチャレンジ!大迫力なドリフトレースをドローンで空撮 埼玉本庄サーキット』

激しく動く被写体に接近することで、まるでその場にいるかのような迫力を届けられるドローン撮影。この作品はそうした動的なカットと、「静」のバランスが際立つ作品だと思います。

出典:【ドローンで4K空撮】 ドリフトチャレンジ!大迫力なドリフトレースをドローンで空撮埼玉 本庄サーキットDJI Inspire1

モノクロで撮影されたピット、スピンして止まってしまったレーシングカー……。激しく横滑りするシーンと、静的なカットの対比がストーリー性を生み、3分足らずの動画ながらドキュメンタリーフィルムのような印象を残します。

4『ギネス世界記録の田んぼアート!様々な角度から空撮』

続いてご紹介するのは、ギネス世界記録に認定された埼玉県行田市の田んぼアートのドローン映像。高い場所からしか見ることができない、まさにドローンにうってつけの被写体なのですが、この作品にも長塚さんならではの構成力が活かされています。

出典:【ドローンで空撮】 ギネス世界記録の田んぼアート!様々な角度から空撮 DJI Phantom3

作品のヤマ場であるアートの全体像が見られるのは後半になってから。それまでは田んぼに引かれたラインと展望台のオーバーラップが続き、つい先が気になって見てしまうはずです。作品としての構成を工夫することで、ドローン映像はより視聴者を引き込むものになるんですね。

5『首都圏最大級の多目的ダム』

ドローン映像の作品性を高めるためにはBGMも大切なポイント。最後にご紹介するのは、選曲が光る神奈川県・宮ケ瀬ダムのドローン映像です。

出典:【ドローンで空撮】 首都圏最大級の多目的ダム DJI Phantom3

オープニングの沢のせせらぎと鳥の鳴き声から一転、BGMはどこか冷たい印象もするダンスミュージック調に。曲調とダム独特の水の色や、木々と人工建造物のコントラストがあいまって、「美しい」という言葉だけでは表せない世界観を生んでいます。試しに音量をミュートにしてみるとBGMがもたらしている効果がわかるはずです。

 

いかがだったでしょうか? 
 
ドローン映像は臨場感やスケール感だけに頼ることなく、カット割りや選曲まで工夫することで、視聴者を引き込むストーリー性の高い作品になります。
 
また、視聴者を飽きさせないという点では尺に気を配るのも大切。ドローン撮影は段取りに時間がかかり、天候などの制約も多いので、「せっかく撮ったのだから、全部見せたい」という気持ちが生まれがちですが、「空人ちゃんねる」の作品はどれも3分程度にまとめられています。ドローン映像をYouTubeで公開する際は、見やすい長さとして参考にしてみましょう。
 
いずれにせよ自分で企画・構想を練り、作品として世の中に発表できるのは本当に素晴らしいこと。仕事としてドローン撮影に関わることが多い私からすると羨ましい限りです。次回は長塚さんをお招きし、ドローン映像の魅力や制作の裏側について対談を予定しています。お楽しみに。

プロフィール

横濱 和彦

株式会社アマナフォトグラフィー
TSC マネージャー

ドローンによる空撮をはじめ、特殊機材を用いた撮影を専門とする新進気鋭の撮影部隊「TSC」を率いる。airvisionでは大型のドローンを主力とし、高性能な撮影機材を用いた広告撮影や、ドラマのムービー撮影などを担当。国内のドローン撮影の草創期から独自に研究・ノウハウの蓄積を行ってきたことから、日本屈指のドローン撮影の先駆として注目を集めている。

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