STUDY2016.3.10

売れる写真を撮影する、ECサイトの商品撮影テクニック思わず買いたくなる"そそる"写真を撮影する5つのコツ

黒川 隆広

株式会社アマナ
フォトディレクター

新商品などが登場するたびに、商品撮影、いわゆる物撮り(ブツどり)が必要になります。でも、印刷物などにも使用する広告宣伝用とはちがい、頻繁に撮影の機会があるECサイト用の写真ならば、自分たちで撮れたらいいな、と思うこともあるのでは? 実はちょっとしたコツがわかれば、消費者の気持ちをそそる商品写真が、その手で撮れるんです。
 


 


POINT 01 説明的に撮りたい時は遠い距離から

まず、商品撮影で大切なのは、被写体とカメラの距離です。左は被写体から離れて撮影したもの。2つの商品がほぼ同じ大きさで並んでいて優劣はありません。これに対して右は、ぐっと商品に近づいて撮影したもの。手前に置いた白いバッグが大きく強調されています。写真を撮る距離によって、これだけ存在感のちがいが現れます。説明的に撮りたい時は遠い距離から、一部を強調したい時は近い距離から撮ることを心がけましょう。


POINT 02 商品の下には白よりシルバーマットの紙

撮影の際に、商品の下や背景によく使うのが白い紙。でも、オススメの色はシルバーマットなんです。反射が強くて撮影しづらいと思われがちですが、実は白い背景のほうが、商品に白く映り込んだり、光の加減によってはグレーのような暗い落ち込み方をしてしまうことがあります。シルバーマットなら、映り込みが少なくなり、商品に対する明るいレフ板の効果もあって、商品撮影にはぴったりです。


POINT 03 背景には被写体の魅力が増す色をセレクト

商品が魅力的に見えるように、背景と影に色を付けるのもオススメです。もし被写体が食べ物なら、ハンバーグは茶色やオレンジ系。サラダであればブルー系など、被写体の魅力が増す色合わせをするのがポイントです。

▲(左)色画用紙を立て、影に色をつける(右)背景にピンクをセレクトして温かさをイメージ


ちなみに、撮影用のセッティングは、チリトリ、ホウキ、S字フック、伸縮棒、洗濯バサミを組み合わせて作ったもの。身近にある物でカンタンに作ることができます。


POINT 04 商品の置き方にもひと工夫

平面にただ商品を置いただけでは、魅力的な写真にはなりません。ある程度の重さがある商品を撮る時には、ビーズクッションに布をかけ、そこに置いて撮るとよいでしょう。商品の重みで自然にシワができ、それが立体感を醸し出します。綿のクッションでもよいですが、クッションの反発力が強いときれいなシワが寄りません。身の回りの物でもいろいろ試してみてください。


POINT 05 分割線で変化を加える

画面に変化をつけたいと思った時には、分割線を入れてみてはいかがでしょう。直線のテーブルだと線がまっすぐに入りますが、どちらかの端が傾いて見えるとかえって不安定な印象を与えてしまうので、丸テーブルがオススメです。物撮りには直径60cm程度のテーブルがぴったり。テーブルのゆるやかにカーブしているラインがうまく見えるように、物を置いて撮影しましょう。暗さが気になるときは、光とは反対方向に鏡を置くのも効果的です。



 


 


撮影する際に、迷いがあったり、ためらっていたりすると、なんだか勢いがない写真になってしまうもの。撮る人の気持ちは、写真に現れます。「多少はフレームからはみ出してもOK」ぐらいの気持ちで撮影にのぞむと、印象の強い、心に残る写真が撮れるようになるはずです。

プロフィール

黒川 隆広

株式会社アマナ
フォトディレクター

1984年、アマナの前身であるアーバンパブリシティ株式会社に入社。2010年、株式会社ヴィーダ設立代表に。同年、『美しい写真ライティング 商品の魅力を引き出す静物撮影術』(MdN)を刊行。2013年のamanabi設立と共に、フォトディレクターとして活躍。2014年、楽天大学において撮影講座を担当。大学・企業などの写真を活用する人に向けて、これまでに培った知識や技術を発揮して「写真を学ぶ」講義が人気。

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