抱えていた課題 ・動画を中心に展開していたため制作に大きな時間とコストがかかり、定期的かつ潤沢なコンテンツ提供が難しかった。メディアの方向性も定まっていなかった 取り組みのポイント ・最初にサイトの方向性を整理し、目的に […]
投稿 コンテンツの質と量を両立するコンテンツマーケティング<br>TANAKA HDがオウンドメディア「Elements」で取り組む手法とは? は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
TANAKA HDが運営する産業事業グローバルサイトでは2015年からオウンドメディア「Elements」を展開してきました。当時は自社が持つ貴金属の素材・応用技術を動画で紹介するというものでしたが、運営していく上でコンテンツ作りにかかる時間や手間、コストについての課題を感じていたと語ります。
「元々『Elements』にアップする製品動画や、展示会で流す動画などをアマナデザインさんに制作していただいていました。しかし自社で映像を作るとなると、撮影スタッフに工場に来てもらったり、海外の展示会に同行してもらったりと、結構な労力とお金がかかります。オウンドメディアを運営する上ではコンテンツの量も重要になります。限られた予算の中でコンテンツの質と量を確保することが課題でした」(小柴さん)
そんな中で、ライセンスドコンテンツを活用して質と量を保ちながら精度を上げていき、オーディエンスにリーチする仕組み作りをする『コンテンツマーケティング』という手法をアマナから提案されたといいます。

TANAKA HDが運営するオウンドメディア「Elements」。貴金属に関するさまざまなコンテンツを掲載している。
「自社メディアにコンテンツを追加していき、コンテンツに触れた方がだんだんと自社のファンになっていく。さらに実際に製品などにも興味を持っていただき、その製品が必要になってくると、弊社にお問い合わせをいただけるチャンスになる。その点に魅力を感じたため、アマナさんのコンテンツマーケティング・プラットホーム『NewsCred』の導入に至りました」(小柴さん)
コンテンツマーケティングに取り組む際、2018年4月から5月まで、計4回にわたりアマナとWebサイトの方向性を煮詰めていきました。
「マーケティング経験者はいたものの、なかなか専門的な知識を実際に学ぶことがなかったので、コンテンツマーケティングについて理解を深めたことがとても大きな学びでした。自社サイトを誰に向けて伝えていくべきなのか、改めて深く見直すことができました」(島野さん)
「コンテンツに触れた人が、さらに興味関心を深めてお客様になっていただくという手法に、コロナ禍以前から取り組めたことは大きかったと思います」(小柴さん)
方向性を定めていく中で、サイトのKPI(重要業績評価指標)やKGI(重要目標達成指標)はどのように決めていったのでしょうか。
「フレームワークを作り上げる中で、まず誰に読んで欲しいのか、どういう記事にしていきたいかとかいう『編集コンセプト』を一緒に考えていきました。私たちが運営するサイトは材料を提供するBtoB事業ですが、新規事業のきっかけとなるよう業種は絞らず、一般企業の製品開発部門の方や経営者の方などに記事を届けたいと考えていました。コンテンツのテーマについては、貴金属メーカーなので貴金属に関する記事や、貴金属に関わる新技術などを取り上げていこうといったことを議論しました」(小柴さん)

コンテンツマーケティングに取り組むにあたり、自社サイトの編集コンセプトなど、基本的な方向性を整理することから取り組んだ。
2018年10月のスタート当初は、数値としてのKPI設定はせず、まずはサイトのアクセス数やコンテンツごとのPVが全体的にどのように底上げできるのかを見ていくことにし、その上で具体的な施策を検討していくことにしたといいます。そのため、最初の1年間は自社コンテンツやライセンスドコンテンツを掲載することでコンテンツを増やし、アクセス推移を分析していきました。
「リニューアル後はいったんアクセスが落ち着いてしまったのですが、そこから少しずつ上がっていきました。ライセンスドコンテンツやオリジナルコンテンツがうまく回り始め、ビューの多いコンテンツが増えたことでWebサイトへのアクセス数もかなり上がってきました。総合的にとらえて効果は大きかったと思います」(島野さん)
1年目の成果を島野さんは次のように振り返ります。
「当初は分析できるデータはまだ少なかったものの、続けるうちによく読まれるコンテンツがどういったものか見えてくるようになったのです。それによって2年目(2019年秋)からの施策を検討することができました」(島野さん)
1年を通じて「Elements」へのアクセスを分析していく中で、反応が特にいいコンテンツ、つまり「キラーコンテンツ」が見えてきました。
「弊社の事業に直結する工業材であるパラジウムやロジウムの価格に関する記事など、何本か長期間にわたってアクセス数が多い記事がありました。金やプラチナなど一般に公表されている消費財に近い貴金属と違って、価格に関する情報がすごく少ないという事情もあるでしょう。弊社の事業に親和性の高いコンテンツは一定以上のニーズがあると感じました」(島野さん)
2年目は、こういったキラーコンテンツに近いカテゴリーの記事を探しながらサイトを編集していきます。
「日本ではアクセスがあるけれど海外では弱いといったコンテンツもあります。では海外では何が読まれるのか、といった課題に取り組むなどアップデートしていきました。ただ、ジュエリーとしての貴金属に関する記事はすぐ見つかるものの、産業材としての貴金属に関するコンテンツはライセンスドコンテンツ全体を見ても少ないため、そこは課題でもあります」(島野さん)

サイトのリニューアル後、最初のキラーコンテンツとなったパラジウムをテーマにした記事
ライセンスドコンテンツを活用し質と量を保つのはコンテンツマーケティングを進めていく上で重要ですが、さらに自社に関するコンテンツの拡充も検討する必要がありました。
「元々のオリジナルコンテンツは動画でしたが、コストや手間がかかってしまいます。そこで、弊社の社員が寄稿したり取材を受けたりしてメディアに掲載された記事を、翻訳などの許可も含めてライセンスをいただき、Elementsに掲載するといったことも行いました」(島野さん)
「米国のWebメディアにタイアップコンテンツを依頼するなど、影響力のあるメディアにコンテンツを作ってもらい、自社サイトにも同メディアの記事をアップすることで、他メディアの読者をElementsに誘導するといった取り組みもしています」(小柴さん)
現在(2021年)はWebサイトのデータ分析をベースにアマナと年4回の編集会議を開きながら、毎月5本のライセンスドコンテンツを掲載しています。
「編集会議では主に記事オペレーションの精度を上げていく方法を議論しながら、アクセス数の多い記事をどのように落とし込むかが中心になっています。現在の指標のひとつに英語サイトのアクセス増があるので、分析しながら取り組んでいるところです」(島野さん)
コンテンツマーケティングに取り組んだことによる変化として「問い合わせ数の増加」「社内からの声」と二人は言います。
「Elementsを含めたトータルのコミュニケーション活動の成果かもしれませんが、リリースや新しい技術などについて、お問い合わせが増えているという声が事業部から届いています。それは成果のひとつですし、コンテンツの分析を見ると、国内や米国、中国などの人が読んでくれていることを実感します」(小柴さん)
「社内から『このコンテンツがすごく面白いね』といった声が上がってくるようになりました。『お客様に説明や紹介するときに使った方がいい』といった声もあり、社内全体的に好意的な意見をもらっています」(島野さん)
コンテンツマーケティングに取り組んで3年目に入った「Elements」。今後も技術トレンドを中心に環境やESGテーマなど、興味関心を集めるキーワードや新規コンテンツの検討に取り組んでいるそうです。
文:安蔵 靖志
AD[top]:片柳 満(amana)
編集:桑原 勲(amana)
投稿 コンテンツの質と量を両立するコンテンツマーケティング<br>TANAKA HDがオウンドメディア「Elements」で取り組む手法とは? は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
抱えていた課題 ・自社の活動である医療・医薬品の分野の情報発信には制限があった。グローバルに加え、国内の生活者とくに若年層の認知度が低かった 取り組みのポイント ・オウンドメディアを通し若年層の関心が高いSDGsを軸にコ […]
投稿 オウンドメディアによるブランディング<br>ライセンスドコンテンツを活用した協和キリン「MIRAI PORT」の取り組み は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
「MIRAI PORT」がスタートしたのは2019年6月。それまで、協和キリンでは企業のブランディングにおいて医療用医薬品を取り扱う企業ならではの課題を抱えていました。
医療・医薬品の分野には、広告や広報活動などにおいてさまざまな制約があります。また医療用医薬品(医者から処方される薬)を製造販売しているBtoBの会社であるため、どうしても一般生活者の企業認知が低くなります。中でもミレニアル世代やZ世代と呼ばれる若者たちからの企業認知度の低さが深刻でした。
どうすれば協和キリンの活動を効果的に伝え、企業認知度を高めることができるか。相談を受けたアマナが提案したのが、ミレニアル世代やZ世代からの関心が高いSDGsへの取り組みを通してブランディング向上施策を行えるのではないか、ということでした。

2019年6月にスタートした「MIRAI PORT」。SDGsを軸に国内外に向けて情報を発信している。
「その時に私たちが懸念していたのは、単に企業としてSDGsへの取り組みを発信するだけではメディアが提供する情報量として適切なものにならないのではないかということでした。アマナさんからのご提案で私たちが魅力を感じたのは、オウンドメディアでさまざまな記事に一般の方が接する中で、弊社の取り組みを紹介する記事にも興味をもっていただく仕組みでした」(戸室さん)
「MIRAI PORT」のサイト制作には、企画、デザインなど最初からアマナがサポート。さらにスケジュール管理や効果測定、コンテンツ制作については、アマナが提供するコンテンツマーケティング支援サービス「NewsCred」を活用しています。

効果測定、ライセンスドコンテンツ、マーケティング支援などのサービスを提供する「NewsCred」。
国内外のメディアが制作するコンテンツをオウンドメディアに掲載できる「ライセンスドコンテンツ」を活用することで、時間とコストを抑えて質が高く、一定量のコンテンツを掲載することができます。またグローバルに向け情報発信を行う協和キリンにとって、英語コンテンツが豊富にあることもメリットでした。
「MIRAI PORTでは環境に関する記事、多様性やジェンダーに関する内容の記事もよく読まれています。2021年、弊社では中期経営計画を発表し、多様性のある組織を作っていくことをメッセージとして発信しました。MIRAI PORTの記事も日本語版、英語版ともにそこに沿ったものが多く読まれているので、弊社のメッセージが伝わりやすい環境にあるのではないかと考えています」(戸室さん)
ミレニアル世代、Z世代をターゲットにしたMIRAI PORTでは、SDGsに掲げられた17のゴールとそれを分類した“5つのP”のバランスを取りながらコンテンツを展開しています。これは2019年6月当初から変わらない方針です。
「コンテンツを選定する際は、そのコンテンツに触れた方が協和キリンに興味を持っていただけるかということを常に考えています。その結果としてPVやUUが増えるのはもちろんですが、ブランドサイトに訪れて協和キリンのことをもっと知っていただきたいと考えています」」(戸室さん)

MIRAI PORTではSDGsを軸にしたコンテンツを発信。こうしたコンテンツに興味関心を抱く人に自社の活動にも触れてもらう場となっている。
現在、MIRAI PORTでは海外の話題を毎月5本、国内の話題を毎月2本掲載しています。さらに協和キリンの取り組みを紹介するオリジナル記事を月に1本掲載しています。
「コロナ禍が象徴的ですが、何かの事情でオリジナルコンテンツが出せない時期があっても、ライセンスドコンテンツを活用することで世の中はどういう分野に注目しているかを解析することができます」。この分析は次のコンテンツ選定の示唆になりますし、社内のどのような取り組みを紹介するのが協和キリンのファン獲得につながるかのヒントになります。これはオリジナルコンテンツの配信だけでは解析が難しかったと感じています」(戸室さん)
現在は3ヶ月に一度、協和キリンとアマナそれぞれの担当が集まる会議でデータ分析をもとにした振り返りを行っています。ここでKPIやKGIの変化などを共有するとともに、次の施策に向けてどういう方向性の記事を取り上げるかを議論します。さらに2021年夏頃からは週に一度の編集会議を導入しました。
「これまで、各担当者が受け持つオリジナル記事などの進捗はメールで確認していました。ただ、オリジナル記事を定期的に配信していくには密なコミュニケーションと企画アイデアのすり合わせの必要性を感じていた時期がありました。ちょうどその頃、アマナさんから定例会を設けるご提案をいただいたのです。メールではなく、打ち合わせの場を持ったほうが企画は進みやすいですし、お互いの思いを伝えやすくなりました」
2019年12月からは「MIRAI PORT」のTwitterアカウントを開設。個別の記事ごとに、どういう反応があるか可視化しやすくなりました。この情報はMIRAI PORTをどのように成長させるかのヒントになりました。2020年からはオーガニック検索からの流入を期待した記事制作にも取り組んでいます。今後はMIRAI PORTから協和キリンのブランドサイトへの流入を増やす施策にも力を入れていくつもりだといいます。そして、2021年からは掲載するコンテンツにアンケート機能が追加されました。
「アンケートは私たちが想定していた以上にご回答いただいていまして、嬉しく思っています。アンケートにお答えいただける方はSDGsへの興味関心が高い方が多いかと思いますが、さらにコメントも書いていただけるので、私たちのメッセージが届いていることが定量的にわかりすごく助かっています。多くの方からいただいた声をどのように生かしていくかを検討しているところです」(戸室さん)

コンテンツを読み終えた人にアンケートを表示するようにした。貴重なフィードバックを得られる仕組み。
コーポレートコミュニケーション部では、「MIRAI PORT」を用いて協和キリンのファンを獲得するとともに、社員に“今、協和キリンが何を大事にしているか”を発信することも目標にしています。
「多くの方々に協和キリンのファンになっていただくためには、働いている社員にも魅力を感じられるようなサイトでなければならないと考えています。発信する情報が、社員から好意的に受け止められるものだろうか、という視点は常に持っています。」(戸室さん)
社内の取り組みをコンテンツとして掲載する時は、バックグラウンドにあるストーリーを見せることを心がけているといいます。どの取り組みも短期的ではなく長い過程を経て形になったもの。従業員からは「自分たちがやってきたことを振り返るいい機会になったし、社会とのつながりをあらためて意識するきっかけになった」という声をもらうことが増えています。いずれは「この部署の取り組みを紹介してはどうか」と社内からも声がかかるように、「MIRAI PORT」を育てていきたいと戸室さんは考えています。
「MIRAI PORT」は2019年6月のスタートから3年目に入りました。この間に、協和キリンはSDGsが掲げる17のゴールに何を結びつけていけるかというスタンスも徐々にアップデートされているといいます。
また、医薬品にとどまらない価値の提供や事業展開、グローバル化の推進、気候変動への対応など、世の中の変化とともに弊社も大きく変わっていこうとしています。
「協和キリンが大切にしていることを、独りよがりにならないように客観的な視点を持ちながら情報発信していくことで、協和キリンの“現在”と“未来”を多くの方に知っていただく。MIRAI PORTをそんなメディアに育てていければと考えています」(戸室さん)
文:高橋 満(ブリッジマン)
AD[top]:片柳 満(amana)
編集:桑原 勲(amana)
投稿 オウンドメディアによるブランディング<br>ライセンスドコンテンツを活用した協和キリン「MIRAI PORT」の取り組み は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
抱えていた課題 BtoB企業としてのブランド構築と信頼獲得に向け、企業ブランディング戦略をオウンドメディア「Toshiba Clip」を軸に実践し、正しい情報をしっかり発信していきたい 取り組みのポイント 「Toshib […]
投稿 「Toshiba Clip」の実践に見る、パーパスを追求し、社内外に良い循環を生むコンテンツのつくり方 は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
東芝は、近年の不適切な会計報告や経営不振などをめぐりマスコミ報道が相次いだことによって、企業ブランディングを担当するコーポレートコミュニケーション部では、それが企業ブランドに与える影響を懸念していたといいます。
企業としての信頼を回復し、再びブランド価値を向上させるには何が必要か。塚原さんたちは、正しく適切な情報を誠実に発信し、社内外にしっかりと伝え、ステークホルダーの理解・共感を得ていくことが、まず何よりも大切であると考えました。
というのも、同社のコーポレートコミュニケーション部は、元々、自ら積極的に情報発信を行なっていこうという意識を高く持っています。マーケティング発想の一貫したコミュニケーション戦略に基づき、広告からオウンドメディア、SNS運用に至るまで、全体戦略の中でアクションが検討されています。

ブランドコミュニケーション室が考えるコミュニケーションマップ。横軸がターゲットのステータス(エンゲージメントレベル)、縦軸がコミュニケーションの深さや量を示す。東芝ブランドの「認知」段階にあたるアテンションレベルのマスメディア広告などでは語られない、より深いレベルの理解や共感を得るためのコンテンツ発信を担うのが、オウンドメディアであるToshiba Clipの役割。
「Toshiba Clip」は、企業理解を深め、東芝ブランドへのエンゲージメントを高めるための、まさに中核的な存在です。塚原さんは同メディアの編集長、加藤さんはその主力メンバーとして携わり、2020年10月にサイトリニューアル。社会情勢の変化やミレニアル&Z世代の興味・嗜好に迅速に対応できる、東芝の「自分語り」の場として充実させてきました。
リニューアルに際しては、中身の濃い情報を読みやすく伝えるためのビジュアルファーストの姿勢、ターゲットを踏まえたモバイルファーストのWebデザイン、そして東芝ブランドを体現するルック&フィールを重視。アマナのクリエイティブナレッジが、見映えだけでなくUI/UXにおいても活きているといいます。

東芝のオウンドメディア「Toshiba Clip」
Toshiba Clipのユニークなところは、若手・中堅社員の自社ブランド理解を促しながら、そのコンテンツ自体がBtoBの取引先や潜在顧客に向けた情報発信も担い、さらには新たな人材採用にもつながっているという点です。
この背景には、BtoB企業としての存在感を増す同社が推進する、社員の意識改革があります。BtoB分野では、社員が顧客とのカウンターパートとなり直接向き合っていく中で、特に前線で活躍する若手社員に自社のブランド価値をきちんと理解してもらい、そのうえで顧客をはじめとする様々なステークホルダーとコミュニケーションをとっていくことが求められます。
そこでToshiba Clip では、BtoBマーケティングの観点から、これからの東芝を担っていく若手社員をはじめとした社内外のミレニアル・Z世代をコアターゲットに定め、その予備軍としての学生やキャリアサイドからの求職者も意識した記事作りが行われています。

リニューアル時に策定した、Toshiba Clipのターゲットオーディエンスの考え方(CMAS資料より)
「新しい時代や環境に配慮した社会を生み出していくのは、やはり若い人たちです。そこをターゲットにしているのですが、一方で、求職者にとっては、志望する会社でどんな人たちがどんな業務においてどのように働いているのか、という点も気になります。その意味で、実際に現場を取材して写真を撮り、社員に自分の言葉で語ってもらった記事を作ることで、採用活動に貢献しています。」(加藤さん)
社内外を接続する良質なコンテンツの条件として、塚原さんは「3B」を基準に考えていると話します。
「3Bとは、ブランド、ビジネス、ビヘイビア(振る舞い、行動)。東芝というブランド、それを実践する事業、その事業の中でブランド価値を体現している行動の3つの要素を備えた記事が、ベストコンテンツだと考えています。私たちは、コンテンツのポートフォリオを組んだうえで、それぞれの東芝グループ全体に渡る人脈や編集者としての勘、そして地道な探索によって3Bコンテンツに当てはまるテーマを見つけ出して取材し、記事にまとめています。」(塚原さん)
この地道な探索には、社内展示会や研究開発の動向の把握はもちろん、報道案件や社内報への目配りも含まれ、各部署の新たな取り組みを取りこぼすまいとする編集部の姿勢が徹底されています。
実際に3Bコンテンツの波及効果は大きく、たとえば、様々な部署でブランドの理念を体現している社員にスポットをあてた連載「理念ストーリー」は、その社員が属する部署や関連グループ企業の業務へのモチベーションを高める働きをしているといいます。

各々の社員がどのように東芝の理念体系を理解し、実践に落としているかをリアルに語る連載「理念ストーリー We are Toshiba」。
そして、取材対象を、サービス部門、研究開発部門、営業部門というように異なる部署へと増やすことで、企業理念が波及・浸透する範囲も点から線、線から面へと広がっていくのです。
「理念ストーリーの記事フィードバックを得るための座談会を開くと、普段は表に出ることのないサービス部門の方から『励みになった』という言葉を聞いたり、『外部のお客様にも読んでいただき、こちらの仕事に対する姿勢を改めて評価された』など、社内外に良い効果が生まれていることを実感しています。」(加藤さん)
また、若手社員や求職者を念頭に書かれた記事は、難しい技術でも噛み砕いてわかりやすくまとめられているため、技術的な専門知識を持ち合わせないBtoB顧客や政府関係者などに説明する際にも、使い勝手の良い資料として重宝されるという副次的な効果も狙えます。
編集部では、社外の新たなタッチポイントを増やすための記事作りも意識的に行っており、たとえば働き方改革をテーマとした記事が、人事部門で働き方に関わる社外コンテストに応募したときのPR資料として利用され、別のテーマではToshiba Clipの記事がきっかけでマスコミにも取り上げられるなど、多岐にわたる効果を生み出しているそうです。
Toshiba Clipのコンテンツが起点となって外部とのやり取りが活性化し、問い合わせが増えることで、各事業部はコーポレートコミュニケーション部と連携するメリットを感じるようになり、記事テーマ発掘の効率がアップ。並行して、各事業部門の広報責任者から事業担当者に対して定期的に話題提供を依頼し、記事テーマが集まる仕組みを二重で担保しながら、常にコンテンツを回せる体制を整えています。
Toshiba Clipでは、各記事末尾にアンケートを配し、記事を読んだことで東芝ブランドに対する理解や共感がどれだけ向上したのかを把握したり、顧客ロイヤルティを知るうえでの指標となるNPS(ネットプロモータースコア)を計測。読者の態度変容の定量・定性分析に活用し、その後の記事企画などに役立てています。
加えて、塚原さんは、アマナが米・Welcome社と連携し提供するCMP(コンテンツ・マーケティング・プラットフォーム)も、アクセス解析やプランニングに欠かせない存在となっているといいます。
「Welcome CMPは、Google Analytics と自動連携して、社内のデータサイエンティストの手を煩わせることなく、記事ごと、記事のピラーごと、そしてオウンドメディア全体の効果測定に必要なデータを提示してくれます。2週間に一度のペースでPDCAを回して記事の動きを把握しているのですが、編集長としては、そのサイクルでより効果的な記事を作っていくための見直しができる点を大いに評価しています。」(塚原さん)
さらに、Welcome CMPの1機能である「Idea Lab」も、記事の企画を考えるうえで強い味方になっているそう。「Idea Lab」は、いうなれば、コンテンツ企画をデータにもとづいて効率良く立案していくためのワンストップリソースであり、Toshiba Clipでは、東芝とどのようなキーワードの組み合わせが社会の潮流として注目されているのかを知るために利用されています。
「Idea Labは、どのような記事が読まれるのか、その答えを教えてくれるような存在です。たとえば、東芝は二酸化炭素を一酸化炭素に変換して資源化する技術を開発しましたが、その話題が東芝と関連付けられてツイートされる頻度が高いことがわかれば、まさにそうした記事を出していくだけで効果が見込める。記事テーマのリサーチにおいてもWelcome CMPはとても有用です。」(塚原さん)
実は塚原さんは前職でマーケティングの専門職を経て、また、加藤さんは社内の営業部門から自ら志願して、コーポレートコミュニケーション部に異動した経緯があります。顧客等ステークホルダーへの語り掛け方を肌感覚で理解し、どのようなブランドコミュニケーションを行えばコミュニケーションマップの右上にまで至るスムーズな流れを作り出せるのかを熟知していることは、Toshiba Clip編集チームの大きな強みでもあります。
Toshiba Clipでは、アマナが提供するCMAS(コンテンツマーケティング・アドバイザリー・サービス)をリニューアルの段階から導入し、隔週で編集会議を持ちながら、データドリブンなコンテンツ開発が進められています。
「CMASを導入するメリットは、一言でいうと“現在地を確認できる”ということだと思います。発信したいコンテンツと読者の情報ニーズのクロスポイントをどう突いていくかを客観的な目線でアドバイスしてもらいながら、不足しているコンテンツを補うことで、理想的なマーケティングへとつなげられます。我々がターゲットに据えているようなミレニアル・Z世代の興味関心への感度も高く、様々なBtoB、BtoC企業のコミュニケーションをクリエイティブの観点からサポートしているアマナさんからのインプットは必要不可欠ですね。」(塚原さん)
今後は、冒頭のコミュニケーションマップにおける個々のメディアを繋ぎ、実効性をさらに高めていく中で、Toshiba Clipをさらに機能させていきたいと語る塚原さん。
「我々は売上をあげるわけでも、人を採用するわけでもない立場です。しかし、100m走に例えるならば、20m前からスタートできるようなアドバンテージをつくって80m走で済むようにする、それが企業ブランディングの役割だと思っています。Toshiba Clipをさらに成長させながら、東芝の各事業部メンバーが走りやすい土壌をつくるということをやっていきたいですね。」(塚原さん)
企業ブランドの向上に向けて、歩みを続けている東芝。地道ながらも、届けるべき人に正しく必要な情報を誠実に伝えたいという編集部の思いが、まわりまわって社内にも良い循環を生みだしていました。
Toshiba Clip編集部の実践は、BtoBビジネスにおける社内コンテンツの掘り起こし方という点においても、学ぶところの多い事例と言えます。
文:大谷 和利
AD[top]:片柳 満(amana)
編集:高橋 沙織(amana)
投稿 「Toshiba Clip」の実践に見る、パーパスを追求し、社内外に良い循環を生むコンテンツのつくり方 は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
パンデミックによる状況変化をプラスに捉え、持続可能なコンテンツ戦略に転換する方法 パンデミック発生当初、マーケターのほとんどがパンデミックを破壊と混乱を招く要因と見なしていましたが、視点を変えて“不確実な状況に耐え、戦略 […]
投稿 Square事例に見る、パンデミックによる状況変化をプラスに捉え、持続可能なコンテンツ戦略に転換する方法 は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
パンデミック発生当初、マーケターのほとんどがパンデミックを破壊と混乱を招く要因と見なしていましたが、視点を変えて“不確実な状況に耐え、戦略を構築する機会”と捉えてみると、新たな気づきを得ることができます。世界的な混乱の中で直面した課題から、どのように戦略を転換し、成功させたのか、ブランドの事例をもとに解説します。
マーケターが、顧客のニーズ、イベント、あるいはカルチャーシーンに合わせたコンテンツを作成する際に常に頼りになるのが、文書化されたコンテンツ戦略です。これはいわば、ブランドのストーリーを伝え、オーディエンスを増やす方法を示したロードマップ。実効性のあるコンテンツ戦略は、一貫性を保ちながら、ビジネスニーズ、業界のトレンド、そしてオーディエンスの関心に合わせて少しずつ進化させていくことができるものです。
しかし、数週間の間に業界がひっくり返ってしまったら…? 策定した戦略は、いかなる意味を持つでしょうか。
COVID-19のパンデミックによる影響を受けて、コンテンツマーケターが口をそろえて漏らしたのは、“what now(さあどうする)”でした。何年もかけて行ってきたオーディエンス調査や、入念に検討されたマーケティングファネルのメッセージングが、突如としてソーシャルディスタンス、健康への懸念、経済的不確実性、そして不安にさらされることになったのです。多くの戦略はこれらに耐性がなく、進化を強いられることになりました。
当社、INDUSTRY DIVEのクライアントであるSquareは、この変化に直面した企業のひとつです。中小企業およびエンタープライズ企業に向けて、決済・運用ソリューションのエコシステムを提供していた同社の顧客であるビジネスオーナーたちは、突然の変化と対応を強いられる事態になりました。Squareは、それらの顧客に対して提供するコンテンツを、従来のようなビジネス成長に関するアドバイスから、前例のない混乱状況をサバイブするためのリソースやヒントを与えるようなコンテンツへ、即座にピボットする必要がありました。
多くのブランドはこの事態にリアクティブ(即応的)な転換で対応し、COVID-19に関するアドバイス的な情報をかき集め、早急にパンデミックのコンテンツハブを構築しました。これはマーケティング界隈に見られる普遍的な変化でありながらも、すでにパンデミックに関する話題は飽和状態で、消費者でさえ、昨年3月以降よりCOVID-19の広告に使われている比喩的表現に飽き飽きし始めています。今この瞬間について語るのではなく、ブランドはパンデミックを乗り越える方法と、同じような局面に備える方法について語っていかなくてはなりません。
そんな中でSquareは、リアクティブなマーケティングアプローチを、パンデミックという難題を乗り越え、同社のオーディエンスとの関連性が高いストーリーに転換する(そして、そのメッセージの価値をステークホルダーに証明する)方法について考えを巡らせます。そして、新たなコンテンツ戦略を構築する中で、発信すべきストーリーは「生き残るための方法」ではなく、「リジリエンス(復活力)を高めるための方法」だと気づいたのです。
パンデミック以前のSquareのコンテンツ戦略では、同社のオーディエンスが顧客の「ニーズ」を見つけることに重点を置いていました。そこでまず、コンテンツ戦略におけるプランニングの初期段階で、「マズローの5段階欲求」に照らし合わせ、ビジネスオーナーにとってのSquareの価値をマッピング。この欲求モデルは、生存欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求に至る、5段階のモデルで構成されています。

次に、Squareのオーディエンスであるビジネスオーナー目線で、彼らのニーズを同じようにマッピング。彼らは、支払を受けるためのツール(=生存ツール)、在庫管理のためのツール(=安全ツール)、顧客と関係を構築するためのツール(=自己実現ツール)を必要としていると同時に、自社ブランドでレガシーを築き、同じ目標を掲げる他企業とのメンターシップや仲間意識を見出したい(=承認されたい)と考えています。

Squareはビジネスオーナーたちをそれぞれのビジネス領域におけるプロフェッショナルと位置付け、彼らの成功談や苦労話、ビジネスをやり抜いたストーリーをコンテンツに起こすことで、プロフェッショナルコミュニティの中で実践的なビジネスアドバイスを提供していくことに。
競合他社が、まとめ記事やハウツーガイドなど、小手先の生存ノウハウコンテンツを作成する一方で、Squareはマズローの理論を現実世界で適用し、提供するアドバイスが同社のオーディエンスにとってなぜ重要なのか、一段深く掘り下げている点で際立っていました。
Squareは、パンデミック後の世界において「ビジネスオーナーファーストのコミュニティ」という概念が、Squareブランドならではの付加価値になると気付きました。不確実な時代の中で、ビジネスオーナーは仲間にアドバイスを求めます。支援や指南、励ましが必要なのです。パンデミックによるソーシャルディスタンスは、オンラインでのインタラクション(相互作用、交流)を促し、バーチャル世界に多くのコミュニティを誕生させました。
SquareとINDUSTRY DIVEがピボットさせた戦略は、既存の理念を越え、今の時代に適したコミュニティを形成したのです。
パンデミック初期の頃、Squareは既存顧客に対して「日常生活における変化」に関する調査を行いました。回答には感情的なものが多く、ビジネスオーナーは自分たちの事業、ブランド、顧客のためにいかに正しい決断を下せるか、頭を抱えていました。彼らは保証や情報、迅速なサポート、そして前向きなアドバイスを求めていたのです。
これらのビジネスオーナーの感情は、電通イージスが同時期に行った調査結果から提唱した「ミレニアル&Z世代がパンデミック進行中に経験した“Stages of Grief(悲しみの5段階)”」と類似していました。この調査では、気晴らしや安心感を求める気持ちをどう満たせるかという問題から「ニューノーマル」の見つけ方まで、ブランドがこれらのオーディエンスニーズを満たすためにどのようにサポートできるが検討されました。
Squareのミッションは、「経済の人間的側面に力を与えること」。そして、そのモットーは、ビジネスオーナーを個人として捉えることで実現されます。つまり、BtoCオーディエンスの感情から受けたインスピレーションを、BtoBへ応用するということです。電通イージスの調査回答者と同様、ビジネスオーナーもパンデミックの中で、答えを探したり、迅速な対応を行ったり、将来の計画を立てたりと、それぞれの「悲しみ」の段階を経験しました。それをもとにINDUSTRY DIVEは、感情的にも実用的にも、Squareのオーディエンスが各ジャーニーの過程で必要とするコンテンツを提供していくための戦略を立てていきました。

軸となるコンテンツを検討していくにあたり、INDUSTRY DIVEとSquareは、パンデミック下におけるビジネスオーナーのメンタルステータス別に、以下3つのコンテンツペルソナを開発。
① 正しいアクションのためのサポートをしてほしい層
② ビジネスを継続するためのサポートをしてほしい層
③ 長期的な成功に向け、その準備をサポートしてほしい層
Squareのオーディエンスに向けてコンテンツを制作する際には、上記3つのペルソナに沿ったコンテンツになっているか、そして感情的または実用的なニーズのいずれか(またはどちらも)を満たしているかというポイントを常に確認しています。
このような不確実性に対する反応・適応のサイクルは、COVID-19によるパンデミックに限ったものではありません。今回、予測不可能な局面に合わせてペルソナの再構成を行いましたが、これまでの歴史を振り返ると、ビジネスオーナーが定期的に同じような経験をしていることがよくわかります。経済動向はつねに流動的であり、急速な変化(eコマースのブームなど)に適応しながら確固たる基盤を固め、成長しています。そして、その過程のどこかで、新たなビジネスモデルの検討を余儀なくさせる局面が訪れるのです。

Squareの「ニューノーマルにおけるペルソナ」は、拡張性とモジュール性を考慮して設定されています。困難な時期に対する理解を必要とするビジネスオーナーが、より多くのコンテンツを求めることもあれば、将来を見据えたビジネスオーナーが、じっくりとレベルアップできる時期を待つこともあるのです。
Squareのコンテンツ戦略開発の目標は、このような不測の事態に際してビジネスオーナーを支えつつ、実用的なアドバイスや彼らと同じ境遇の人々のコミュニティを提供することで、大きな支えとなることでした。
文書化された戦略を実行し、反復し、息の長いものにしていくためには、マーケティング組織の全員がその戦略を理解しなければなりません。ブランドとオーディエンスが良いコミュニケーションを続けていくために、戦略の背後にあるマクロな方法論から、コンテンツの公開日時等に至るミクロな要素まで、チーム全員がコンテンツの価値を理解する必要があります。
Squareはニューノーマル戦略を採用し、2回にわたるセッションを通じて80人以上のマーケターチームにその内容を紹介しました。 1回目のセッションでは、コンテンツマーケティング戦略の価値と、それぞれのアセットがブランドの目標、ニーズ、目的をどのように伝えるかを説明。オーディエンスファーストモデルのコンテンツマーケティングとして組み立て直す必要があったのです。

チームに対して戦略理解を促す説明をする際にも、Squareのオーディエンスに向けたコンテンツアプローチと同様、わかりやすく、アクセスしやすく、そして楽しいものにする必要があります。

チーム全体が「なぜコンテンツマーケティングに取り組むべきか」に対して理解を深めたうえで、2回目のセッションでは、その具体的な方法について説明。COVID-19のように破壊的な事態に際して、ブランドはそれをどう受け取り、活用し、オーディエンスに語りかける方法を再形成すればよいのか。オーディエンスに提供すべきコンテンツ体験の全体設計から説明します。
これは、ストーリーベースのコンテンツマーケティングを成功へと導くフレームワークとして、幅広いチームがアイデアを試し、コンテンツを提案し、ファネルの深層にまでつなげる方法を理解するうえで有効な方法です。
COVID-19は、Squareのコンテンツマーケティング戦略を混乱させることなく、ビジネスオーナーが前例のない局面を乗り切り、再び成功へと歩みを進めていくためのコンテンツ戦略へとピボットさせる機会を与えました。SquareのミッションとINDUSTRY DIVEのインサイトを強力なコンテンツマーケティングの方法論に落とし込むことで、今後何年にもわたってマーケティングトレンド(そして経済の不確実性)を乗り切ることができるプランを確立できたのです。
元記事「Turning a Pandemic ‘Pivot’ Into a Lasting Content Strategy」は2021年6月11日にspringboardに掲載されました。
この記事は、IndustryDiveのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは[email protected]までお願いいたします。
投稿 Square事例に見る、パンデミックによる状況変化をプラスに捉え、持続可能なコンテンツ戦略に転換する方法 は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
【プロジェクトのポイント】 抱えていた課題 ・社内外への情報発信において、Web上に掲載する情報としてより適切な内容にしていく意識の不足 ・社員のデザイン、編集、撮影、配信に関する基礎知識と技術の不足 取り組みのポイント […]
投稿 「相手に伝わる情報」はどのように発信するのか? ハウス食品グループが取り組むDXにおける「コミュニケーション」スキルアップ は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
ビジネスシーンで急速に進行していたデジタル改革。それは世界的なパンデミックで人々の動きが止まり、テレワーク・リモートワークが日常化した中で一層加速しました。
ハウス食品グループ内でもさまざまな場面でデジタルを活用した業務改善が進んでいましたが、何を目的にデジタルを活用していくのかという“意図”と、そのために必要なスキルが整っていない部分があったといいます。
今回お話を伺った中田さんが所属する広報・IR 部では“デジタル社会で社内・ 社外とのコミュニケーションをどう図るべきか”ということが常に課題になっていました。
「私の業務にメディアとのコミュニケーションがあります。例えばニュースリリースは、 かつては主に印刷した用紙をメディアにお配りしていましたが、現在ではサイトへのアップやWeb配信ツールの活用などにより、オンラインでご覧いただく機会が増えています。その端末もPCだけではなくスマートフォンへも広がっています。その中で、我々は伝えたいことをわかりやすい形で相手に発信できているのか、ということを考えていました」(中田さん)
オンラインでの情報発信が拡大する中で、忙しい記者やライターに記事にしてもらうために情報をどう効果的に整理するか、メディアへの最適な画像提供やオンライン配信によるコミュニケーションなど、十分にできていない部分をどう改善していくか。それらを考えていたとき、中田さんはアマナのクリエイティブチームとの取り組みが頭に浮かんだと言います。

リニューアル前後の大阪本社展示ギャラリー(下がリニューアル後)。デジタルサイネージ上に流す情報配信システムの構築を含めてアマナがサポート。
「弊社の大阪本社には、社内外の方に会社の歴史を知っていただくための展示ギャラリーがありました。歴史だけではなく、ハウス食品グループの“今とこれから”をお伝えするため、アナログな展示方法から、タイムリーに情報を更新できるデジタルシステムを活用した展示方法に変更するプロジェクトがありました」(中田さん)
広報・IRの業務をデジタル時代に対応したものに変革していくためには、社外の技術や発想を取り入れていく必要がある。アマナのクリエイティブチームと共に、次なるプロジェクトに取り組みました。
ハウス食品グループの課題を整理し、「DX時代におけるコミュニケーションスキルアップ」と題した4部構成の研修プログラム(Creative Camp)をアマナが実施しました。第1回はデジタルコンテンツのアップデートを目的とした“良い資料を作るためのデザインルール”。
広報・IR部が発信するニュースリリースや決算説明会資料は、社会にハウス食品グループの情報を伝える大切なツールです。情報に目を留めてもらうためには、情報をデザインする必要がある。そのために必要なことをワークショップで考えていきます。

ハウス食品グループが実際に出したリリースや社外向け資料をアップデートする作業に取り組んだ。
情報のデザインとは、情報を“的確に取捨選択”し、伝えたい内容を“正確に見た目に反映”すること。これにより情報を正確に伝えることができるとともに、受け手に関心を持ってもらいやすくなります。そのために必要なのはセンスではなくルールであることをCreative Campに参加したメンバーは実例をもとに学んでいきました。


相手に伝わる資料を作るためのデザインのルールや基礎知識を学んだ。
「実際のニュースリリースとIR資料をもとに、デザインルールを取り入れる前と後での印象の違いを実例で見られたことで、チームの意識は大きく変わったと思います。特にIRの担当者はフォントの選び方や配色など、ここで学んだことをさっそく業務に取り入れています」(中田さん)
ハウス食品グループでは東京本社、大阪本社、千葉研究センターのロビーに設置されたデジタルサイネージ(※上に掲載した写真、大阪本社展示ギャラリーにあるモニター)にリリースなどの情報を流しています。お客様がこのサイネージに目を留める時間はごくわずか。そこでいかに的確に情報を伝えることができるか。それを考える上でも学んだことが役立つと中田さんは話します。
第2回のテーマは“オンラインコミュニケーション”。コロナ禍によりリアルイベントの実施が困難になったことで、多くの企業が新たな情報発信の手段としてオンラインイベントを開催しています。

当たり前になったオンライン配信のスキル向上のため、さまざまな事例から最新情報を得た。
広報・IR部でもその必要性を感じていましたが、一方でそれを阻む大きな壁がありました。
「例えば新製品の説明会を開催する際、我々は必ず試食をお出ししています。試食を行うのは、言葉やビジュアルで説明するよりも、実際に召し上がっていただくことで製品のエモーショナルな部分が伝わると考えているからです。試食ができないオンラインイベントでは、価値が半分以下になってしまうのではないかということが大きな懸念点として上がっていました」(中田さん)
そこで第2回では、さまざまな企業がオンラインイベントをどのように捉え、どのような手法で行っているかを紹介。とくにオンライン上での体験をどのように設計すべきかに時間を割き、Q&A形式でディスカッションを行ないました。

オンライン配信のトレンドや傾向、これから予測できる動向などを解説。
「このワークショップを通じて、リアルとオンラインを融合したハイブリッドなイベントの可能性を感じました。例えばリアルで試食会を開催できなくても、参加者の手元に事前に製品を届けることで、オンラインイベントに参加しながら実際にご試食いただくことができるのではないかなど、さまざまなアイデアが生まれました」(中田さん)

広報・IR部では初の試みとしてオンラインでの新製品説明会を開催することになりました。説明会前に参加者の手元に商品を送付。実際の製品を見ながらオンラインでメディアが必要とする情報を確実に伝え、説明会の後に調理、試食していただく。オンラインでありながら五感で感じてもらえるようにする試みです。
「コロナ禍の影響により人々の意識が変わったことで、収束後もオンラインイベントの活用は続くと思います。我々もリアルとオンライン、それぞれのメリットを活かしながら、イベントの間口を広げていけたらと考えています」(中田さん)
第1回のテーマになった情報デザイン。そのために必要な情報の取捨選択。これを行う上で重要になるのが“エディトリアル(編集)思考”です。第3回は、ワークショップで広報・IR部のメンバーがハウス食品グループという企業をどう発信するかを4つのチームに分かれてディスカッションしました。

共感や感動など感情を伴った経験が記憶に残る=物語(ストーリー)の重要性などを学んだ。
しかし、ただ会社のことを話すだけではエディトリアル思考になりません。出したお題は“ハウス食品の人格とは?”です。
「これまで会社を擬人化して考えたことがなかったので、とても刺激的なワークショップでした。広報・IR部ではさまざまな情報を発信していますが、どうやって発信すればより多くの人の記憶に残るのか。その着眼点が得られたと感じています」(中田さん)
ところで、今回のワークショップではなぜ会社を擬人化したのでしょう。その目的は発信する情報にストーリーをつくることにあります。インターネットの普及により情報が洪水のように溢れる現代社会において、人々の注目を集めるためには、“この情報は必要である”という理由や差別化が必要です。


エディトリアル思考について解説し、後半は参加メンバーによるワークショップが行われた。
ストーリーを持った情報を発信することで、それに触れた人には“共感”や“感動”などが生まれやすくなります。擬人化はストーリーを組み立てる上でのひとつの手段になるのです。
「エディトリアル思考のためのヒントをいただいたことで、社内報やニュースリリースをまとめる際のワードチョイスや文章のまとめ方などに変化が見えています。ワークショップがメンバーの思考のボトムアップになったのだと思います」(中田さん)
全4回におよぶ研修プログラム(Creative Camp)の最終テーマは“伝わるビジュアルコミュニケーションの思考とスキルを学ぶ”。
ビジュアルが伝える情報量は膨大で、ある研究によると人は文章よりイラストのほうが15倍早く理解できるという結果も出ているほど。しかしビジュアルで伝えるためには、発信側の意図が必要になります。

広報・IR部が日常的に接する「写真撮影」の具体的なスキルを学ぶ回となった。
「広報・IR部では日常業務として撮影する機会が多くあります。社内報担当はカメラを持って取材に行きますし、メディア担当の私はコロナ禍の影響でオンラインでの取材が増え、メディアの方からイベントの風景画像や登壇者のポートレートを依頼されることが増えました。それに伴い、『どうすればもっと写真を通して私たちの想いを伝えられるか』がメンバー共通の課題となっていたのです」(中田さん)
情報はもちろん、伝え手の想いや受け手に感じてほしい世界観などをどのように表現すればコミュニケーションが円滑になるのか。そのためにはどんなテクニックを身につければいいか。ポートレート、建物撮影、製品撮影などの具体的な例から学びました。
ビジュアル表現のスタートとなるのは、コンセプト設計。何を目的にどういうテーマで写真を撮るか、そのビジュアルはどんな人が目にするのかを曖昧にしてしまうと、この写真はなんのために配置されているかが受け手に伝わりづらくなります。
「このワークショップで、多くのメンバーが抱えていた悩みが解決できたと思います。社内報担当は拠点の方に撮影を依頼することも多いのですが、その際にどうディレクションすればいいのか。それを考える上でも参考になっています」(中田さん)
今回のプログラムを通して、広報・IR部としての今後の課題が見えてきたと中田さんは話します。
「個々のメンバーが経験したこと、インプットした知識や技術を業務の場でどういう形でアウトプットするか。我々はそれを考えるフェーズにあると強く感じました。自分の業務に取り組むのはもちろん、意識やスキルを共有することで、組織として“DX時代のコミュニケーション力”を底上げできるのではないかと思います」(中田さん)
デザイン、オンラインコミュニケーション、エディトリアル思考、撮影…。これらはすべて相手の心を掴むアウトプットを考えるワークショップでした。
「デザイン、ビジュアル、コミュニケーションなど、自分の中でやっていきたいこと、変えていきたいと考えていたことがいくつかありました。そのためのエビデンスを獲得できたと感じています」(中田さん)
広報・IR部として社外の人たちに情報を発信することはもちろん、オンラインでのやり取りが増えた社内コミュニケーションでも、この経験が活用できる。ワークショップでの経験を社内に広げていくことに向け、動き出しているようです。
文:高橋 満(ブリッジマン)
撮影[top]:Westend61(EyeEm / amanaimages)
AD[top]:片柳 満(amana)
編集:桑原 勲(amana)
投稿 「相手に伝わる情報」はどのように発信するのか? ハウス食品グループが取り組むDXにおける「コミュニケーション」スキルアップ は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
コンテンツは「3つのC」に分けて考える アマナでは、コンテンツ制作に取り組む際の効果的な手法として「CREATION」「COLLABORATION」「CURATION」の頭文字をとって「3つのC」を提案しています。CRE […]
投稿 コンテンツマーケティングにおける「コンテンツの質と量」の課題を解決するには は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
アマナでは、コンテンツ制作に取り組む際の効果的な手法として「CREATION」「COLLABORATION」「CURATION」の頭文字をとって「3つのC」を提案しています。CREATIONは企業が伝えたい視点から制作するオーダーメイドのコンテンツ(オリジナルコンテンツ)、COLLABORATIONは他メディアや有識者など第三者の目線を交えて制作するコンテンツ(タイアップなど)、CURATIONは様々なメディアが制作するコンテンツ(ライセンスドコンテンツ、ストックフォトなど)をキュレーションすることを意味します。


コンテンツ制作を「3つのC」に分けて考えることは、マーケティングファネルにおけるターゲット別の設計と相性がいいと考えています。例えばターゲットが潜在顧客層であり、指標がトラフィックの向上である場合を考えてみましょう。自社のことをあまり知らない、自社サービスに関心が薄い層に向けて自社を紹介するコンテンツ(オリジナルコンテンツ)を公開しても、閲覧してくれる可能性は高いとは言えません。さらにターゲットの興味関心に沿ったコンテンツを全て自社で制作することは、時間的にもコスト的にも困難ですし、持続性が高いと言えないでしょう。そうした場合に「キュレーション」つまり他メディアが制作するコンテンツの活用が効果を発揮します。

「3つのC」に分けて考えることで、ターゲットの課題を起点とした流入が見込めるほか、興味関心の高い検索クエリのニーズを把握し、オリジナルコンテンツの制作に活かすこともできます。
他メディアが制作したコンテンツを自社メディアに掲載する際には、ライセンスを受けて二次使用できる「ライセンスドコンテンツ」を活用することになります。


Source: e27(左) NEC/ Digital Finance –Inspiration-(右)
海外、国内問わずメディアが制作するコンテンツには客観性、信頼性、即時性といった特徴があり、検索エンジン最大手のGoogleが重要視するE-A-Tの評価基準を満たしやすくなります。ただ、こうしたコンテンツをすべて自社で制作することは、現実的に難しい企業が多いことでしょう。
「ライセンスドコンテンツ」は制作コストだけでなく、大きく3つの優位性があることも特徴です。

1.持続可能な配信を実現できる
通常のコンテンツ制作工数を考えると、オリエンから企画~制作~編集~配信まで平均して1.5~2ヶ月かかります。しかし、ライセンスドコンテンツを活用することにより、制作期間を約2週間に短縮することが可能です。コストや工数を抑え、安定してコンテンツを配信することができます。
2.つながりを構築できる
企業視点で制作するオリジナルコンテンツ(企業が伝えたい情報)は、必ずしも顧客が知りたい、欲しい情報とは限りません。専門性が高いメディアが制作するライセンスドコンテンツを活用することで、顧客が興味関心を抱く内容のコンテンツをスピーディーに配信することができます。
3.ニーズを捉えることができる
マーケティングファネルにおける潜在顧客層は、将来の顧客となりうるターゲット層です。ただ、潜在顧客層のニーズを捉えるには、数多くのテストが必要となるでしょう。顕在顧客層、見込み顧客・検討顧客など、ターゲット層別に適切なコンテンツを配信することで、有益なコンテンツコミュニケーションが実現できます。
オウンドメディアのコンテンツ制作については、特に「質と量」に関して多くの企業が課題を抱えている状況です。アマナが提唱する「3つのC」は、ライセンスドコンテンツを活用することで質と量の課題を解決し、「持続性」「つながりの構築」「ニーズを捉える」ことを実現できると紹介しました。「3つのC」は、オウンドメディアの課題を解決するひとつの有効なツールとなるでしょう。
[FREE DOWNLOAD]コンテンツマーケティング戦略テンプレート
撮影 [ top ] :sonnzinn(amana)
AD [ top ] :片柳 満(amana)
文・編集:桑原 勲(amana)
投稿 コンテンツマーケティングにおける「コンテンツの質と量」の課題を解決するには は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
ますます高まるデジタルインタラクションの重要性 新型コロナウィルスの流行以前・以後における調査によると、顧客に対するセールスの手法として従来のセールス手法よりもデジタル化されたセールス手法を重要視していることがわかります […]
投稿 コンテンツマーケティングを成功に導くファーストステップとは? は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
新型コロナウィルスの流行以前・以後における調査によると、顧客に対するセールスの手法として従来のセールス手法よりもデジタル化されたセールス手法を重要視していることがわかります。そして62%の企業がパンデミックを機にコンテンツマーケティングの重要性を認識していることがうかがえます。「デジタル化されたセールス手法」として、企業のコンテンツマーケティングに対する投資意識が高まっていると言えるでしょう。


Source: Fifth Quadrant,Connected Report for APAC
そしてコンテンツマーケティングを進める上で重要になってくるのが、具体的な「コンテンツの設計」です。コンテンツ設計を戦略的に進めることで、顧客に有益な情報を発信し、エンゲージメントを高めることにつながっていきます。では、どのようにコンテンツ設計を進めればいいのでしょうか。
コンテンツに接触した顧客を「認知層」「顕在層」「購買層」「再来訪」…とファネルダウンへ導くためのコンテンツ設計を整理しましょう。アマナで実際に行っているのは、次の8つのポイントです。
1.ゴールと計測指標を設定する(KGIとKPI)
最も重要なことはゴールの設定ですが、併せて計測指標を設定することがポイントとなります。指標を定期的に観測することで、コンテンツマーケティングの効果測定や成否を判断する材料となります。例えばGoogleの検索クエリ数の増加やPVやUU数がこれに当たります。
2.客観的な計測フレームを用意する
どのような項目で指標を評価するか、が次のポイントです。ブランドやサービスの認知、コンバージョンといった項目ごとに見る項目を設定することで、客観的にコンテンツの効果を測ることができます。

3.コンテンツの目的を確認する
コンテンツマーケティングにおいては、ターゲットの課題を顕在化させ、それを解決に導くコンテンツが有効です。企業からの一方的な発信だけでなく、顧客が必要だ、欲しいと考えるコンテンツを設計し、企業とユーザーの「つながり」をつくることが重要となります。

4.ターゲットごとにKPIを設定する
顧客の状態によって、抱える課題や興味関心をもつコンテンツは異なるでしょう。目的に応じて各ファネルに対するマイクロKPIを設定することで、それぞれに対し効果的なコンテンツを設計しやすくなります。

5.ターゲットを定める
次にターゲットオーディエンス(群衆)を設定します。コンテンツに触れて欲しいターゲットはどのような業界、職種なのか、またどのような課題をもっているのかを整理することで、コンテンツを設計する際の判断基準となるでしょう。さらにペルソナを描くことでチーム内の認識を統一し、コンテンツの最適化を進めることができるでしょう。

6.コンテンツピラーを設定する
ターゲットが見えたところで、コンテンツピラー(柱)を設定します。具体的にどのようなカテゴリにするのか、また各ピラーごとにどのようなキーワードを取り上げていくのかを整理することで、より効果的にコンテンツを設計できます。

7.役割と責任を設定する
誰が、何をするのか、どの業務の責任者なのかを明確にします。企画を考える人、コンテンツを制作する人、数値を分析する人…と業務は多岐にわたります。役割と責任範囲を明確化することで、安定的なコンテンツコミュニケーションが実現できます。
8.配信戦略を立てる
オウンドメディア(自社webサイトやSNSなど)、アーンドメディア(オーガニック検索、プレスリリースなど)、ペイドメディア(広告配信)といった流入経路別に考えます。目的ごとの施策や効果を整理し、まずは認知を広げることから着手しましょう。
オウンドメディアの運営は、とかく属人的になりがちです。またPVやUUといった単一指標に目を奪われることもあるでしょう。企業や組織によって異なるゴールに向かって施策を立て、長期的に取り組み、効果を発揮し続けるためには、フレームワークを活用し、チーム全員が同じ視点に立つことが重要です。
またしっかりと準備をして取り組んだとしても、実施段階で行き詰まることや、予想した結果を得られないこともあるでしょう。同じゴールをチームで共有し、仮説検証を繰り返していく時にも、フレームワークの活用が効果的と言えるでしょう。
[FREE DOWNLOAD]コンテンツマーケティング戦略テンプレート
撮影 [ top ] :sonnzinn(amana)
AD [ top ] :片柳 満(amana)
文・編集:桑原 勲(amana)
投稿 コンテンツマーケティングを成功に導くファーストステップとは? は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
金融サービスにおけるコンテンツマーケティングを成功させるコツ 金融サービスのコンテンツマーケティング戦略を成功させるには、教育、関係構築、信頼を軸にコンテンツを展開する必要がありますが、同時に、それらの話題をオーディエン […]
投稿 金融サービスにおけるコンテンツマーケティングを成功させるコツ は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
金融サービスのコンテンツマーケティング戦略を成功させるには、教育、関係構築、信頼を軸にコンテンツを展開する必要がありますが、同時に、それらの話題をオーディエンスにとってわかりやすい方法で伝えていかねばなりません。しかし、Roth IRA(退職年金の一種)や住宅担保ローンのように、複雑でやや “不愉快”なテーマを扱う金融サービスブランドにとっては、口で言うほど容易なことではありません。
一方で、消費者は金融関連のコンテンツに自分の時間を割きたいと考えていることは確かです。その裏付けとなるデータをいくつかご紹介しましょう。
・Experian社の最近の調査によると、調査対象となったZ世代の約半数(49%)が、パーソナルファイナンス(個人の資産管理)についてもっと知りたいと考えています。これはZ世代のオーディエンスの興味がすでに高まっていることを意味します。楽しみながら学べる情報で彼らを惹きつけ、彼らの金融リテラシーを向上させられるか否かは、ブランドの手に掛かっていると言えるでしょう。
・CNBCとAcornsの“Invest In You Savings Survey(投資のための貯蓄調査)”によると、資産管理に関して、アメリカ人の75%が、専門家やオンラインサービスの助けを借りず、自分で管理していると回答しています。言い換えれば、消費者は重要な決断に際して、金融に関する主要なトピックを自分自身で調べているということです。
コンテンツマーケティングを実践することで、金融サービスブランドは、消費者の生活向上をサポートする、信頼に足る情報機関としてのポジションを獲得することができ、それはブランド力をアップさせる大きなチャンスとなり得ます。
Brandpoint 社のレポート“State of Content Marketing for Financial Services(金融サービスにおけるコンテンツマーケティングの現状)”によると、金融サービス業界のマーケターがもっとも有効だと感じたコンテンツ形式は、75%がインフォグラフィック、44%が動画、37%がブログであるという結果が出ています。
金融サービス業界のマーケターは、新規顧客にリーチし、既存顧客のロイヤルティを高めるうえで、いずれの形式においてもコンテンツマーケティングが有益だと認めており、ビジネスに直結するコンテンツマーケティングの効果を次のように挙げています。
・ブランド認知度の向上(61%)
・顧客との関係構築(60%)
・顧客教育(53%)
もちろん、コンテンツマーケティングの計画立案には、課題がつきものです。そもそも、金融業界においてはコンテンツに関して多くの制約があり、厳しい規制の中で、さまざまなコンプライアンス要件を遵守しなければなりません。コンテンツに細かい修飾語や但し書きを追加せざるを得ない場合でも、対話を続け、読者を離さないよう努めるのは至難の業です。コンプライアンス上の課題はさておき、金融コンテンツには複雑なトピックが多くあるため、コンテンツクリエーターは、オーディエンスを退屈させない方法でストーリーを伝え、情報を共有する方法を見つけなければなりません。
また、“Edelman’s 2021 Trust Barometer(2021年エデルマン信頼度調査)”によると、金融機関に対する消費者の信頼度は、2020年から2021年の間に急激に低下しています。これは、金融ブランドが顧客の信頼を再構築するには、真摯かつ意識的に取り組む必要があることを示しています。
このようなハードルがあることは確かですが、説得力を与え、最終的には収益を促進するコンテンツマーケティングを行うことは、十分に可能です。もし、あなたが何かインスピレーションを得たいのであれば、金融サービスのトップブランドが実際に実践しているコンテンツマーケティング戦略と戦術のポートフォリオをご覧ください。

Santander Bankは、コンテンツを活用して見込み客にアプローチすることで、多くの成功を収めてきました。同行の“Prosper and Thrive”というコンテンツハブは、2016年当時にミレニアル世代を意識して制作されたもので、瞬く間に100万回以上のサイト訪問と20万件のソーシャルエンゲージメントを獲得しました。
Santander Bankは、この実績をもとに、2017年に中小企業を対象とした、“Business First”というコンテンツ主導のウェブサイトを立ち上げました。
“Business First”は、起業家や中小企業の経営者向けに、実用的なアドバイスや戦略、そして彼らにインスピレーションを与えるようなサクセスストーリーを数多く提供しています。記事や動画はインタラクティブでわかりやすく、経営のさまざまな段階にいるビジネスパーソンを対象にしています(中小企業経営者向けのタイムリーな“Stories of Resilience”ウェビナーなど)。

このサイトは、特定の業界の中小企業経営者向けにつくられたコンテンツとストーリーテリングを通じて、ターゲットに対して継続的にインスピレーションを与え続けることを目指しています。
イリノイ州北部を拠点に多数の金融クライアントを抱える総合マーケティング会社Chartwell Agencyの社長Rebecca Eppersonは、「人は他人の中に自分を見出すものです。個人がどのようにあなたのチームと連携し、ブランドの製品やサービスを使用してくれたかを共有したり、紹介したりすることは、同じような状況に直面する他の人々が前向きな成果を想像する際に役立つのです」と述べています。
ここから得られるtips:
あらゆるニッチに向けて、パーソナライズされ、カスタマイズされたコンテンツを制作しましょう。「小さな子供のいる家庭と退職者に、同じニュースレターを送っても無駄です」とEppersonは言います。「それぞれのニーズや欲求、関心事はまったく異なります。もちろん、重なる部分もあるかもしれませんが、ブランド側の視点ではなく、彼らの視点からつながりや関わりを考えるようにしてください」。

小売業向けクレジットカードの発行で知られるSynchronyは、“State of Pay”と題した大掛かりなコンテンツイニシアチブに着手しました。CNBCと提携したこのプロジェクトは、「ビジネスの強化と成長に向けて革新的な方法を模索する人々のために、コマース、決済、テクノロジーに関する、現在、そして次世代の新しい手段を紹介する」ことを目的としています。この取り組みによって、SynchronyはCMI 2019アワードのファイナリストに選出されました。
State of Payは、人々の支払い方法がどのように変化しているかを調査し、小売商取引のオピニオンリーダーへのインタビューを掲載しています。 CNBCがパートナーになっているため、コンテンツは、CNBCのチャンネルやソーシャルメディアでも配信されます。
サイトには、あらゆる統計データやショートムービーのほか、“4 Trends Shaping Retail(小売業を形成する4つのトレンド)”のように記事を掲載しているコンテンツもあります。
ここから得られるtips:
オピニオンリーダーは非常に強いコンテンツ力を持っています。金融サービス企業は、大手報道機関と提携することで、経営幹部の声をより広範囲に届け、ブランドとしてのインサイトを増幅させることができます。

Acornsは、購入額を自動で切り上げ、余分な小銭を株式に投資してくれるアプリです。アプリの認知向上のため、同社はGrowというオンラインマガジンを自社内で制作し、専任の金融専門ジャーナリストを雇って運営しています。初年度(2016年から2017年)には、500万人のサイト訪問者を獲得しました。
画像を多用したカラフルなサイトを見てみると、多くのコンテンツが、あまり所得の高くない若年層をターゲットオーディエンスとしていることがわかります。堅苦しく、退屈な投資の略語は見当たりません。
このマガジンは、たとえそれが小さな一歩だとしても、そこから読者が自分たちで資産管理していけるようになることを目指しています。コンテンツは、貯蓄、投資、収益、支出、借用(動画と記事の両方)にカテゴライズされ、読者の悩みや疑問に寄り添うように設計されています。
すべてのコンテンツには「お金」に関するフックがありますが、サイドビジネスを推奨するコンテンツや、ユーザーがNFTを使用してアートで利益を得るノウハウ記事等が掲載されていることからもわかるように、同ブランドは金融とライフスタイルを融合させることで、魅力的かつ現代的なコンテンツを継続的に提供しています。
ここから得られるtips:
ターゲットオーディエンスを魅了するには、彼らのモチベーションや興味を理解し、エンゲージメントを維持する方法を見つけることです。「金利や、新しい製品・サービスについて語るのではなく、ストーリーテリングに力を注ぐべきです」とEppersonは言います。
金融サービスブランドにおけるコンテンツマーケティング戦略は、オーディエンスのニーズに沿ったものでなければなりません。マーケターはそのうえで、顧客がどのように情報を探しているかを理解する必要があります。オーディエンスは「バンクスピーク(銀行用語)」で検索しているわけではないのです。
「数年前、あるクライアントと仕事をしたのですが、そのクライアントのコンテンツは社内用語を多用していて、それが弊害になっていました」とEppersonは語ります。そのクライアントは、顧客が求めていた「退職の専門家」や「法人担当銀行員」ではなく、「ウェルスマネジメント(資産管理)アドバイザー」や「商業貸し手」といった言葉を使用していたのです。
「求められている内容を、顧客の言葉で表現したときに初めて、私たちは大きな転機を迎えることができました」と彼女は言います。
ターゲットオーディエンスと自社の提供価値を理解したら、最後のステップは、シンプルで有益、かつ教育的でありながらも面白いコンテンツを制作することです。資産に関するトピックを扱う以上、消費者は信頼できるリソースとして信頼に足るブランドのみを選びたいと考えていることを忘れてはなりません。コンテンツは、その信頼性を高める最良の方法のひとつなのです。
元記事「How to Develop Financial Services Content Marketing That’s “On the Money”」は2021年6月11日にspringboardに掲載されました。
この記事は、IndustryDiveのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは[email protected]までお願いいたします。
投稿 金融サービスにおけるコンテンツマーケティングを成功させるコツ は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
すべてはストーリーテリングに始まる まず初めに紹介したいのは、“The Art of Storytelling : Telling True Stories Well”(ストーリーテリングのアート:真実のストーリーをうま […]
投稿 2022年コンテンツマーケトレンド予測:BtoB施策のポイントは「顧客主導型デジタル体験の構築と、合意形成を加速させるコンテンツ」(後編) は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
まず初めに紹介したいのは、“The Art of Storytelling : Telling True Stories Well”(ストーリーテリングのアート:真実のストーリーをうまく伝えるには)というキーノートセッション。スピーカーは、マーケティング人材育成を行うMarketingProfsのコンテンツ責任者であるアン・ハンドレイ氏だ。
コンテンツマーケティングのエキスパートとしてアメリカでは知名度の高い人物の1人だが、ステージに登場するなり巧みな話術で聴衆を惹きつけ、意外な切り口から、誰でも再現できるストーリーテリング構築法を説いた。

ハンドレイ氏は、「ストーリーが(マーケティングに)文脈をもたらし、文脈によって(マーケティングの)価値が高まる」と、コンテンツマーケティングにおけるストーリーテリングの重要性を表現。そして、顧客や見込み顧客をナラティブ(物語)に引き付け、自分ごととして捉えてもらえるように誘導していくことが必要だとした。
すでにご存知の方も多いとは思うが、この場合のストーリーテリングとは、企業のDNAや価値観、ポリシーなどを具体的なエピソードとして消費者と共有することを指し、自社のビジネスのあり方や製品、サービスの背景にある考え方に共感してもらううえで有効な手法である。しかし、ストーリーテリングの重要性を認識していても、効果的なストーリーの構成や組み立て方がわからないというマーケターも少なからず存在することをハンドレイ氏も認識している。
そこで、ストーリーテリングのテンプレートになりうる物語例として、「ルドルフ 赤鼻のトナカイ」(原題:Rudolph the Red-Nosed Reindeer)の例を採り上げた。日本でも知られたこの児童書は、作者のロバート・L・メイが自分の娘のために書いた詩が元になっている。彼の勤め先でもあったシカゴの通販会社Montgomery Wardが自社の宣伝用に書籍として制作販売したところ、250万部(再発行分を含めると、さらに350万部)のベストセラーとなったのだ。同社は、物語の主人公であるルドルフというキャラクターのおかげで記録的なクリスマスシーズンの売り上げを記録することができた。
ハンドレイ氏は、1939年発行のこの本こそがコンテンツマーケティングの元祖的存在なのだと指摘する。そして、そのストーリーを以下8つの要素に分け、マーケターが自らのプロジェクトに当てはめることで、誰もが水準以上のストーリーテラーになれると説いた。
「ルドルフ 赤鼻のトナカイ」の物語の骨子は、このようなものである。ルドルフは素晴らしい特徴を持ちながらも周囲に受け入れらずにいたが、吹雪がきっかけとなって能力が理解され、皆をハッピーにしたという流れが見えてくる。
そして、ハンドレイ氏は、この物語の骨子が、コンテンツマーケティングのストーリーテリングにも当てはまるという。つまり、ルドルフが製品(サービス)、サンタがその顧客であると捉えて、以下のように置き換えるのである。

赤鼻のトナカイが、小さな子どもでも知っているほどキャラクターとして浸透し、世界中で親しまれる歌にまでなったことは、取りも直さず、そのキャンペーンがコンテンツマーケティングとして大成功を収めた証といえる。このように身近な児童書が、実は宣伝用に制作されたものであったこと自体も驚きだが、逆に、そのくらい大胆な発想でコンテンツマーケティングを捉え、顧客の共感を得てコンバージョンに結びつけることが、今も求められているのである。
「BtoBの顧客は、必要な機材や製品、技術を調達する際に、できれば自分たちの力だけで行いたいと思っている」。
そう話すのは“Building B2B Buyer-Driven Digital Experiences”(BtoB向け顧客主導型デジタル体験を作り上げるには)というテーマでセッションを行なった、BtoBマーケティングコンサルティング企業Marketing InteractionsのCEO兼BtoBマーケティング・ストラテジストのアーダス・アルビー氏だ。

アルビー氏は、「BtoB企業の顧客は、そうした調達をコントロールできていると考えているが、本当にそうだろうか?」と疑問を提起。自分たちの力だけで資材調達などを図る顧客企業は、情報の正確さに自信が持てず、購買の判断を正当化する手段がなく、盲点に気づきにくいとし、その23%が適正価格で購入できなかったことを悔やんでいると指摘した。
BtoB企業としては顧客に対してより優れた取引条件を提示できる可能性があるにもかかわらず、相手のほうは自分たちの側に購買の主導権があると思いたいがために、両者の思惑のギャップを埋めなければ理想的なBtoBビジネスは成立しない。そこでキーとなるものが、顧客主導型のデジタル体験であると、アルビー氏は説く。
既存の顧客主導型デジタル体験としては、SNSや検索エンジンを利用した情報収集、オンラインのレビュー記事を通じた情報取得、1対1またはコミュニティ内での対話などがある。そこに、マーケターが次のような項目をコンテンツマーケティングの一環として組み込むことで、顧客主導というスタイルを崩さずに、メッセージやアドバイスを届けることができる。

既存の顧客主導型デジタル体験に、以下の要素を加える。
・顧客企業にとって有用なコンテンツハブ
・関連情報へのリンク
・想定外の事態(たとえば、工期の延長や、隠れたコストの顕在化など)への対処法の提示
・質問に「はい」「いいえ」で答えていくと最適な購入判断ができる分岐チャート
そして、次に挙げるような、購入前のプロセスを推し進めるための情報を提供したり、ウェビナーの開催などによって合意形成を加速させることで、コンバージョンを促すことができる。
・調達の理由となる現状の問題について、改善するに値することを示す。
・自社内では、その問題を解決できないことを示す。
・すべての関係者が参加して、問題解決に向けた合意を形成する。
・問題の放置が、問題を解決するよりコストがかかるとの共通認識を持つ。
最終的に、BtoBの購入判断の過半数は、製品やサービスの供給側企業の自信と、それに対する顧客企業からの信頼感によって下されるという調査結果もあり、コンテンツマーケティングを活用した信用の醸成が、より高いビジネス成果に結びつくとアルビー氏は結論づけた。

調査会社のB2B Internationalによれば、BtoBの購入判断の56%が、製品やサービスの供給側企業の自信に対する顧客企業の信頼感から下されているという。そのため、BtoB企業にとっては、コンテンツマーケティングを活用して顧客からの信用を醸成することが大切なのである。
BtoCのみならずBtoBのコンテンツマーケティングにおいても、動画利用が効果的であると語るのは、デジタル・セールス・マーケティングのコンサルティング企業Vengreso共同設立者のビベカ・ボン・ローゼン氏だ。
ローゼン氏は、別名「LinkedInエキスパート」と呼ばれるほど、プロフェッショナル向けSNSのLinkedInを利用したマーケティング戦術の専門家でもある。そのため、セッションタイトルも“How B2B Sales Teams Can Use Synchronous and Asynchronous Video to Build Their Pipeline on LinkedIn”(BtoB企業の販売チームがLinkedInでセールスパイプラインを構築するための同期/非同期動画の利用法)というものであった。
この場合の同期動画とは、ウェビナーなどによるライブ動画配信を指し、非同期動画とは、オンデマンド再生できるアーカイブビデオなどを意味する。ローゼン氏のセッション内容は、次の3点に集約される。

1. ブランドムービーを制作し、それを企業のSNS公式アカウントのトップに配する。そして、社員にそのアカウントをフォローさせ、個々の社員のネットワークを通じて動画を拡散させる。
2. 見込み顧客に対するメッセージも、テキストではなく動画メッセージを利用する。動画メッセージは、テキストメッセージと比較して3倍もレスポンス率が高く、場合によって、4〜5倍も高いケースがある。
3. 自社主催のウェビナーやライブ動画の配信を行う。これは、顧客とのエンゲージメントを深めるために大変有効である。
これらの手法はLinkedIn以外のSNSでも可能な場合があるが、BtoBの場合にはプロフェッショナル同士のコミュニケーションとなるため、ローゼン氏は、LinkedInが最も適していると考えている。また、BtoB企業の社員がLinkedInにアカウントを作って自己紹介や専門領域を紹介することにより、組織の全体像が見込み顧客に伝わりやすく、信頼感も得やすくなるというメリットもある。
後編の最後は、BtoBマーケティングコンサルティング企業でブランディングやWebデザインも手がけるVelocity共同設立者のダグ・ケスラー氏と、同社開発部門の責任者であるデイブ・ウェルチ氏のセッション“Ask A Dev: Why Your Content Team Needs Developers!”(デベロッパーに訊け:コンテンツチームが外部リソースを必要とするわけ)の話題で締めくくりたい。
ケスラー氏は、現在のコンテンツマーケティングが、活版印刷を発明したグーテンベルクの時代からさほど進化していないと指摘する。それが意味するのは、今も、文字と図や写真の静的なレイアウトが主流で、情報を効果的に伝えるには不十分であるということだ。
一方で、ペーパーメディアとして長い歴史を持ち、保守的と思われてきた新聞業界でも、脱グーテンベルク時代への試みが行われている。たとえば、ニューヨークタイムズ紙のオンライン版でも、見せ方を工夫し、ビジュアル重視のストーリーテリングを採り入れることで、よりわかりやすく、印象に残る誌面作りを推進している。

企業のコンテンツマーケティングでも、ニューヨークタイムズ紙のオンライン版に見られるようなビジュアル重視のストーリーテリングを進めるべきであるというのが、ケスラー氏の主張。
人々がこのような新しい情報提示に慣れていくと、企業のコンテンツページが古臭く感じられてしまう懸念があるとケスラー氏は考えており、事実、現在のマーケティングコンテンツの99%は、1980年時点の技術でも制作可能なものばかりだと主張する。
しかし、最先端のデジタル技術を投入することで、コンテンツはよりインタラクティブなものとなり、見た目が魅力的になるだけでなく、エンゲージメントも一層深いものにしていくことが可能となる。ウェルチ氏は、以下6つの要素を備えたインタラクティブなコンテンツは、優れたコンバージョン率につながると解説した。

1. 没入感あるコンテンツ:
アニメーションや動画、インフォグラフィックス、埋め込み型のスライドショー、3Dなどを用いることで、より優れたユーザー体験がもたらされ、閲覧者のコンテンツへの没入感が高まり、アクションを促すことができる。
2. ユーザー中心のコンテンツ:
デバイスに応じてレイアウトが最適化されるレスポンシブデザインや、閲覧者の属性に応じて内容や見せ方をカスタマイズすることで、ユーザーに寄り添うコンテンツの実現が可能となる。
3. データドリブンなコンテンツ:
Webサイト内でのユーザーの行動や、入力した内容や滞留時間に基づいてナビゲーションを変化させることで、リードナーチャリング等の効果があがりやすくなる。
4.データが取得できるコンテンツ:
3とも関係するが、価値のあるコンテンツを提供する際には、それと引き換えに、閲覧者の同意の下にメールアドレスや属性につながる情報を得るための入力フォームを設定することにより、2のユーザー中心のコンテンツを実現しやすくなる。
5. SEOメリットのあるコンテンツ:
インタラクティブな要素をHTMLやCSS、JavaScriptなどの標準的なWeb技術で実現することで、Googleは一般的なWebページと同じように検索結果に反映し、特にエンゲージメントの強い要素が高く評価される。また、Google検索時の質問に対する回答となるページにも高評価が与えられるため、的確で使いやすいFAQページなどの整備も有効である。
6.更新や再利用がしやすいコンテンツ:
プロフェッショナルによって制作されたインタラクティブなコンテンツは、更新しやすく、構成の似たWebページを作る際にも再利用がしやすいメリットがある。
このように、コンテンツマーケティングには、デジタル時代に相応しいインタラクティブなコンテンツが求められているが、インハウスのコンテンツチームだけでは6つの要素をバランスよく満たすことが難しい面もある。そこで、外部のプロフェッショナルのノウハウや技術も利用しながら、自社に最適なコンテンツマーケティングを実現することが現実的であるというのが、ケスラー氏とウェルチ氏の結論であった。
アーダス・アルビー氏のセッションでも言及されていたように、BtoBビジネスはBtoCと比較しても、企業やブランドへの信頼感がより購入判断に結びついているところがある。その信頼感を得るために、デジタル技術を活用してコンテンツマーケティングを推進することがBtoB企業にとって有効であり、競合の中で自社を差別化し、見込み顧客に選んでもらううえで強力な味方となるのだ。
今回のレポートが、読者の方々の来年のコンテンツマーケティング施策に関して、少しでも参考になれば幸いである。
画像提供:Wetzler Photography
AD[top]:片柳 満(amana)
編集:高橋 沙織(amana)
投稿 2022年コンテンツマーケトレンド予測:BtoB施策のポイントは「顧客主導型デジタル体験の構築と、合意形成を加速させるコンテンツ」(後編) は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
Content Marketing Worldとは Content Marketing Worldは、コンテンツマーケティングに関する国際的な教育&トレーニング組織のContent Marketing Institute […]
投稿 2022年コンテンツマーケトレンド予測:キーワードは「需要に寄り添うブランド構築と、コミュニティへの傾聴」(前編) は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>
Content Marketing Worldは、コンテンツマーケティングに関する国際的な教育&トレーニング組織のContent Marketing Instituteが、2011年から毎年秋に米・オハイオ州のクリーブランドで開催している、セミナーと展示会からなる統合的なカンファレンスである。
コンテンツマーケティングに特化したイベントとしては世界最大級。今年はウイルス禍の影響でリアルとバーチャルのハイブリッド開催ながら、9月29日〜10月1日の3日間にわたり、トップクラスのマーケティングリーダーたち225人からなるスピーカー、550社に及ぶ参加企業、会場には3000人を超える参加者が集い、最新情報を共有した。

Content Marketing World 2021開催の様子(提供:Wetzler Photography)
ここでは、コンテンツマーケティング関連の様々なテーマに沿ってプレゼンテーションやディスカッションが行われた中から、「2022年のトレンド予測」と「BtoBコンテンツマーケティングのこれから」という2つの観点で、複数のセッションをピックアップしてまとめたレポートを2回(前編・後編)に分けてお届けする。前編にあたる今回は、全体を通して来年のトレンドとなりそうなトピックをまとめて紹介していく。
最初に紹介したいのは、その名も”Content Marketing Predictions for 2022”(2022年のコンテンツマーケティング予測)というセッション。スピーカーはBtoBニュースソース企業Industry Diveのグローバルコンテンツスタジオ部門にあたるstudioIDの副社長、マット・マキュー氏である。
studioIDの調査によれば、アメリカ企業の上級幹部を対象にしたアンケート結果において、その67%が2022年にはコンテンツマーケティングのための予算を増やしていくと回答している。マキュー氏はこれを「我々(コンテンツマーケター)は金持ちになれる」と冗談めかして表現したが、給与には直接影響しないまでも、来年以降、コンテンツマーケティング施策が拡大していくことは間違いない。

studioIDの副社長、マット・マキュー氏によるプレゼンテーション。
またマキュー氏は、ブランド戦略が必ずしも即時的なセールスの増加につながらないことや、製品/サービスに対する需要の高まりが、そのまま市場における自社ブランドの存在感アップに直結するとは限らないことに言及。そして、そうした悩みを解決するために、これからのコンテンツマーケティングには”Brand to Demand”(需要に寄り添うブランド構築)が必要となると説く。
つまり、ブランディングを優先してコンテンツへのアクセス数や優良な見込み顧客が増加することに期待するのではなく、需要に応じてブランド戦略を変えることによって、その存在感が高まり、結果としてコンテンツの閲覧者やコンバージョンにつながるリードを増やせるというのだ。
実はマキュー氏自身、過去10年にわたって毎年のように、自分が関わるマーケティング施策の正当性を、上司に納得してもらうのに苦労すると告白したほど、コンテンツマーケティングの効果がROI(投資利益率)に直接反映されないことは、世界中のコンテンツマーケターを悩ませてきた。マーケター自身は、コンテンツマーケティングの特性をよく理解し、中・長期的な視点から施策を推進しているにもかかわらず、短期的な成果が得られないことで社内的に肩身が狭くなる場合があるという。

同じくstudioIDの調査で、対象となったマーケターの約1/3が、「上司はコンテンツマーケティングのアイデア自体に理解を示すものの、自社がそれを行う意味をわかってもらえない」と回答した。自分が最終的な責任者でない限り、この問題がつきまとう。
では、「需要に寄り添うブランド構築」は、どのように機能するのだろうか。
まず、自社ビジネスのターゲット層のニーズや興味の調査結果に基づいて作られたコンテンツ自体が、ブランドの醸成に貢献する。優れたコンテンツはSNSなどを通じてターゲット層の話題の一部として広がり、それに伴ってブランドの露出も増えていく。そして、フォロワーが増えれば、その数字を成果として社内に提示できる。
次に、ブランドと需要を結びつける役割を、それらのコンテンツに担わせる。これは、コンテンツ公開のお知らせや、内容を紹介するメールマガジンとニュースレターによって可能となる。ここで重要なのは、一貫性と規則性であり、たとえば、メールマガジンやニュースレターが決まった曜日に定期的に届けられることが、ブランドの安心感や信頼性につながっていく。ここでは、優れたコンテンツと引き換えに得られるメールアドレスの登録数やニュースレターの購読者の増加数などを、具体的な数字として示すことができるため、社内への説得材料となる。
さらに、そのことが波及効果を生み出して、リードによる自社サイトの閲覧回数が多くなって滞留時間も増し、リードが抱く疑問点や質問に関するやりとりに積極的に対応することで信用度が高まり、最終的なコンバージョン率も上がることで上司や上層部も納得するという流れが作られる。
そこで、2022年にはどのようなコンテンツ形式に力を入れるべきかという点だが、studioIDの調査結果によれば、マーケターの約半分がホワイトペーパーから遠ざかり始めており、6割がポッドキャストの増加を予想している。これは、レポートの後編記事でも触れる「紙の時代の情報の見せ方からの完全なる脱却」により、成熟するデジタル時代に即した情報提供のあり方に移行しつつある兆しと考えられる。先に公開された記事内でも、ポッドキャストの重要さに比べて採用する企業が日本では少ないことに触れたが、もしまだ自社で取り組んでいないようならば、2022年はそれを始めるのに、ちょうど良いタイミングといえそうだ。

また、ウェビナーに関してはウイルス禍の収束と共に利用頻度が減ると見る向きもあるが、依然として半数近くのマーケターが増加を見込んでいる。リアルなセミナーの必要性がなくなることはないものの、遠方からでも最小限のコストで参加できるウェビナーのメリットが浸透した今後は、リアルとバーチャルのハイブリッドな活用が行われていくことになりそうだ。
自身のセッションの締めくくりにあたってマキュー氏が強調したのは、「顧客や見込み顧客は、コンテンツへのアクセス数や『いいね』の数、その他の派手な数字で語られる無機質な存在ではなく、あくまでも人間であることを忘れてはならない」という点だ。そのため、BtoCやBtoBになぞらえて、コンテンツはHtoH(ヒューマン・トゥー・ヒューマン)であり、人にまつわるストーリーテリングが最も効果的だと指摘する。それは、studioID自身も2022年の課題に据えており、すべてのコンテンツマーケターが常に頭の片隅に置いておくべき前提なのである。
コンテンツマーケティングの普及に伴って、今後、多くの企業がコンテンツ不足に直面することを指摘したのは、SkywordのCEO、アンドリュー・ホイーラー氏だ。同社は、Samsung、Neutrogena、Mastercardなどのコンテンツマーケティングを手がけているコンサルティング企業である。
ホイーラー氏は、”Freelancers, Flexibility, and the Future of Work: How Great Brands Are Scaling Their Content Operations in 2021 and Beyond”(仕事の未来における社外リソースの活用とフレキシビリティの重要性:優れたブランドは、いかに2021年以降のコンテンツ運用のスケールアップを考えているか)というタイトルのセッションを行い、激しく変化するこれからの社会では、優れたコンテンツを継続して提供できる企業のみが生き残れると説いた。
具体的には、今後、マーケティングにおけるコンテンツの需要が急激に拡大するのに対して、それを供給すべき社内のコンテンツチームのキャパシティが追いつかなくなる事態が発生する。ウイルス禍によって先行きが不透明になった市場の動向に、企業は柔軟に対処していくことが必要となる一方、それを社内の力だけで解決することは難しく、社外リソースの力を借りてコンテンツの運用をスケールアップしていくことになるというのが、ホイーラー氏の予想だ。
そのうえで、単発的なコンテンツを使い捨てるのではなく、ホイーラー氏が提唱する「コンテンツ・エコシステム・モデル」を基本とすることで、良質なコンテンツを継続的に供給することができるとしている。このモデルは、以下のようなカテゴリーから構成され、それぞれのコンテンツをバランスよく揃えていくことで、持続可能なコンテンツマーケティングが行える仕組みだ。
サーチ・コンテンツ:
見込み顧客が検索によって解決しようとする疑問の答えとなるコンテンツ
ファウンデーショナル・コンテンツ:
自社に関する基本的な情報や企業哲学などを提供するためのコンテンツ
ソート・リーダーシップ・コンテンツ:
自社が対象とする業務分野のオーソリティであることを独自の視点から示すコンテンツ
プロダクト・コンテンツ:
自社製品やサービスに関する説明を適材適所で行うことで効果を発揮するコンテンツ
カスタマー・コンテンツ:
問題解決のために何をすべきかのアドバイスなど、顧客の視点からエンゲージメントにつながると考えられるコンテンツ

例えば、債務管理問題に対する解決策を探している見込み顧客を想定した場合の「コンテンツ・エコシステム・モデル」。自社が債務問題に関して顧客に有用な情報を提供しうることを、サーチ、ファウンデーショナル、ソート・リーダーシップ、プロダクト、カスタマー、それぞれの切り口でバランスよく印象付けていく。
そして、より細分化された具体的なテーマごとに、コンテンツ・エコシステム・モデルに基づくコンテンツを、様々な形式やチャネルで整備していく。以下のように整理すると、カテゴリー別の色分けによってバランスがひと目でわかるため、現状では不足しているカスタマー・コンテンツなどを補うべきことが理解できる。

サーチ・コンテンツ:信用スコアを上げるためのハウツービデオ、信用スコアとは何かを理解するための徹底ガイド、優れた信用スコアについての解説ブログ
プロダクト・コンテンツ:4週間で信用スコアを改善できた顧客のカスタマーストーリー、信用スコア改善プログラムが機能する仕組みの説明
ソート・リーダーシップ・コンテンツ:アメリカにおける信用スコア平均値の調査データ
ファウンデーショナル・コンテンツ:それぞれに適した信用スコア問題解決法の提示
先のマット・マキュー氏が示したように、2022年のコンテンツマーケティング関連予算が増加しても、肝心のコンテンツが足りないとすれば、有効な施策を打つことはできない。今後予想されるコンテンツ不足を解消するためには、このようにシステマチックな方法に基づいて優良なコンテンツを制作し提供することが不可欠となっていくだろう。
企業と顧客のデジタルコネクションの構築をミッションとするSITECOREのシニア・デジタル・ストラテジストのジャクリーン・バクスター氏のセッションでは、”An Empathetic Revolution: Content, Communication, and Digital Active Listening”(コンテンツ、コミュニケーション、デジタル・アクティブ・リスニングによる共感の革命)と題して、アフターコロナのコンテンツマーケティングの在り方が提示された。
バクスター氏によれば、ウイルス禍によって停滞し、分断された社会の中で、顧客が最も求めているものは「共感」であるという。それは企業との関係においても同様で、個人でも会社でも、自らが置かれた状況に共感してくれるブランドに対して自らも共感を覚え、エンゲージメントが深まっていく。

バクスター氏は、現在の顧客がブランドに期待するのは、「自らに対して今まで以上に共感に基づく体験を与えてくれること」だと指摘する。
そのために企業に求められるのは、より強固な関係を築くための基盤となるブランドへの信頼感だが、うわべだけの共感では、持続可能な信用は得られない。綿密に設計されたコンテンツマーケティングによって自社のビジネス領域における問題解決能力を示し、それを一貫性のあるメッセージによって発信することが、顧客が必要とする共感につながるのである。
そして、共感を得るためには、その本質を知ることも重要だ。何かに共感することは人間に元々備わっている資質だが、自らの生き方や生活をより意味のあるものへと変えていくために欠かせない感情でもある。また、ある経験が自身にとって価値のある、本当に有用なものかどうかを判断する要素の1つにもなっている。
したがって、共感が得られたということは、相手の考え方や判断、方向性にも影響を与えうる可能性を手にしたことにもなり、これがコンバージョン率にも影響してくる。
では、具体的にどのようにすれば、顧客の共感を得て、これからのビジネスに活かしていけるのだろうか。バクスター氏は、その答えが、ターゲットとするコミュニティの声に耳を傾け、その課題や要望を徹底して理解するための投資にあるという。
また、すべてのコミュニケーションチャネルを通じて顧客や見込み顧客と一貫したやりとりを行い、知り得た課題や要望を我が事として考えながら、フィードバックを行なっていくことも大切だ。そして、思慮深く、しかし迅速に事にあたり、効果の出た施策は継続的に拡張し、そうではない施策からは何がいけなかったのかを顧客の目線で分析して学ぶ謙虚な姿勢も忘れてはならない。
マット・マキュー氏と同じくバクスター氏も、顧客や見込み顧客は数字などで示されるセグメントではなく人間であることを基本に据えることを強調した。その基本に立ち返り、ブランドの価値を真摯に伝えていくことが、これからのコンテンツマーケティングには求められている。
このように、最先端のコンテンツマーケティングは、人として顧客に向き合い、そのニーズを汲み取り、十分なコンテンツを揃えてそれに応えていくという方向に向かっている。
後編では、Content Marketing Worldのセッションの中から、特にBtoB分野のコンテンツマーケティングに関する情報をピックアップして紹介していく。
画像提供:Wetzler Photography
AD[top]:片柳 満(amana)
編集:高橋 沙織(amana)
投稿 2022年コンテンツマーケトレンド予測:キーワードは「需要に寄り添うブランド構築と、コミュニティへの傾聴」(前編) は VISUAL SHIFT|ビジュアルシフト に最初に表示されました。
]]>