noteのコンテンツに見る、企業に“オープンであること”が求められる理由

コロナ禍でさまざまな取り組みを行ってきたクリエイターと読者をつなぐメディアプラットフォーム「note(ノート)」。後編では、状況の変化に素早く対応し続けるnote株式会社のコーポレートカルチャーや、これからさらに必要になる“社内をオープンにする”コンテンツとはどのようなものか伺います。note事業開発担当の佐々木望さん、法人向けサービス・note proのカスタマーサクセスを担当する水野圭輔さんに伺いました。前編はこちらから。

コロナ禍で連帯を生む、“社内を開く”コーポレートカルチャー

――CXOの深津さんが書かれていたnoteで、自社サービスの意義や会社の動き、考え方をできる限り頻繁に発信していくことが大事と書かれていました。オープンに情報発信していくことは、貴社の中で共通の考えなのでしょうか?

水野:そうですね、うちはトップが自らその姿勢を示してくれていて、CEOもCXOもどんどんnoteを書くし、伝えていくんです。

佐々木:コロナの影響下で感じていたのは、実は一番不安なのは社員なんじゃないか、ということです。生命も経済も危機に晒されているタイミングで、会社のトップが「うちは今こういう状況で、ここを目指すんだ」と発信すると、社員も安心することができる。noteでは公式アカウントからも発信しますし、僕や水野含め社員が個人としてnoteについて発信することもあります。

佐々木さん。

水野:その思想の根底には、会社のバリューである「クリエイター視点で考えよう」があると思います。社員が発信するのは推奨されているものの、強制されているわけではありません。みんな自然と書くんですよね。「note部」っていう部活もあるくらい、書く習慣が身についている人が多いし、お互い読み合ったり、感想を伝え合ったりする習慣がありますね。SNSでのシェアも自然にしますし、いい文化だなと思います。

――バリューが浸透している証拠だと思いますが、浸透させるためにやっていることはありますか?

佐々木:ミッションとバリューがしっかりしていることがまずありますが、ミッションとバリューの落とし込みにもコストをかけていますSlackでは定期的にバリューについてのポストが流れてきますし、人事評価制度もバリューの項目にどれだけ即していたかを基準に設計されています。

ミッションとバリューがはっきりしていること、アウトプット文化があること、そしてテクノロジーを活用していること。この3つがあることで、業務の質もスピードも向上している実感があって、時間感覚としては通常の6倍働いているように思います。僕は(2019年)12月に入社して5ヶ月ほど経ちましたが、もう30ヶ月くらい過ごしているような感じです(笑)。

クリエイター発信のコンテンツを企画化し、ムーブメントへ

――従来は社内報などでクローズドに発信していたようなことを、社外に開いていく傾向は他の企業でも見られますか?

佐々木:僕らが参考にしているのが、SmartHRさんがコロナ以前から始められていた「オープン社内報」です。「お疲れさまです、広報の〇〇です」「人事の〇〇です」のような書き出しでいろんな部署の方がSmartHRの考え方を発信されていて。社内へ向けた内容なのですが、オープンになっているので誰でも見ることができます。

佐々木:冒頭で触れていた深津のnoteにも、SmartHRさんがオープン社内報で使っていらっしゃった「#オープン社内報」というタグがついています。SmartHRさんに承諾していただいたうえで、noteでもおすすめタグとして指定させていただき、「オープン社内報」を書くことを推奨しています。

水野:「#オープン社内報」の投稿は1500件近くまで増えていて(2020年6月現在)、note社内でも自然と自分たちのスタンスをオープンに伝えるコンテンツが増えてきています。

noteが「#オープン社内報」の募集について、クリエイターへ呼びかけた投稿。「会社やチームに向けてのお知らせを公開してみませんか?noteで「#オープン社内報」を募集します!|note公式|note」より。

――社内外に対する透明性が問われる中で、時代に即した流れでもありますね。

水野:中の情報を出していきましょう、という話はnote proの相談で答えることでもあります。社内の出来事を公式に外へ出していけると、社員の安心にもつながると思うんです。

SmartHRさんの場合は社内行事や社内ルールもどんどん書いていらっしゃるんですが、以前お話を伺ったとき、社内の人がTwitterのタイムラインなど社外で記事を見かけると、あらためて読み込んでくれたり、社内周知が促されるとおっしゃってしました外の人から反響があると、当たり前に思っていたこともあらためて認識できますし、noteならではの見え方だなと思います。

水野さん。

コミュニティの自走を目指すこれからのnote

――今後noteとしてどのような価値を提供していきたいですか?

佐々木:だれもが創作を始め、続けられるようにすることは引き続きやっていきますし、コロナ後も情報発信について困っていらっしゃる企業に対してサポートしたいと思っています。始めはうまくいかないこともあるかもしれませんが、note pro内でコミュニティができ始めているので、僕らだけじゃなく、コミュニティ内の他の企業も含めて、新しく始める方や、まだうまく発信できてない方をサポートしていきます。

企業の情報発信がうまくなって困る人はいないと思うんです。消費者の方にとっても、必要な情報が必要な人へ届くのはいいことなので、そんな世界を目指していきたいです。

水野:実は今、個人でnoteをやっている人たちが日本中で自発的にnoteの勉強会を開催してくださっているんです。大阪や福岡は顕著ですが、我々が何か働きかけたわけではなく、ありがたいことに、自然発生的に広がっている。コミュニティが自走しているのは素晴らしい状態だと思います。法人の分野においても、たとえば地方支部がうまれたり、自発的に広がっていく流れをサポートしていきたい思いは強くあります。企業同士でアイデアを出し合ったり、ブラッシュアップしたり、相談し合えるような場をつくることができたらいいですよね。

noteの書き手同士のコミュニティって、すごく雰囲気がいいと感じていて。なぜかって、みんな真っ白いnoteに向き合っているからかなぁと。書くのって楽なことばかりではないので、共通してわかり合えている人同士に自然とリスペクトがうまれ、居心地がいいんだろうなと思います。法人でも、日本国内に限らず国境も超えてコミュニティができていくといいなと思っています。僕らはその流れをアシストしていきたいですね。

コロナを機に考えたい、これからの情報の届け方

必要な人へ必要な情報を届けること。それはコロナの影響を受ける以前から企業の情報発信において大切なことです。オンラインには情報があふれ、企業が発する声が埋もれてしまう今、何を・誰に・どのように届けるかは今まで以上に考えなければなりません。より多くの人がシームレスにオンラインに接続できるようになっていることは企業が自ら情報を発信する好機とも言えます。企業やブランドの姿勢、そして時世をふまえ、どのような文脈に乗せてコンテンツを作るのか、またそれを発信するためのプラットフォームは何を選択するべきなのか。今回のプラットフォーマーならではのお話は、これからの企業の情報発信のあり方を考えるヒントを与えてくれるのではないでしょうか。

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撮影[top / interview]:秦 和真(amana)
AD[top]:片柳 満(amana DESIGN)
文・編集:徳山 夏生(amana)

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