中国出身フォトグラファーが選ぶ、今Instagramで見ておくべきアカウント
今や個人から大企業まで、自らを世界へ発信するために欠かせなくなったSNSの1つ、Instagram。この連載では、広告業界の第一線で活躍するアマナのフォトグラファーが普段どのようなビジュアルにインスピレーションを受けているのか、おすすめのInstagramアカウントを通して紹介します。
第2弾は食のプロデュース会社ヒューで、日本国内のみならず、母国・中国のマーケットを視野に入れて営業活動と撮影をこなす許嘉珉(きょ かみん)が、中国で活躍する写真家も含めてお届け。第1弾はこちらから。
自然光を巧みに使ったファッションフォトが人気。レスリー・チャン
レスリー・チャンは中国を中心に活躍している写真家。作家活動からキャリアがスタートし、日常のスナップ作品を多く手がけていました。従来の中国のファッションフォトはスタジオでストロボを焚いて撮影することが多かったようですが、レスリーのポートレートは自然光で撮影されているのが特徴的。
これまで見たことのない新鮮なビジュアルが人々の心をとらえ、現在は中国を拠点としながらアジア各地で活躍しています。
80〜90年代を彷彿とさせるスタイリングが多く、どこか懐かしい印象を与えます。
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ここ20年ほど、中国は目まぐるしい経済発展を遂げ、写真業界もまた大きく変化しています。以前は陰影がはっきりしていて、パキッとした写真が好まれていましたが、中国をはじめ、香港、台湾などでもレスリーのような淡い曖昧なトーンが求められるようになりました。中国人に好まれる赤色の衣装や小道具を使った作品も多くあります。
おすすめは大麻シリーズ!? 独特の世界観で魅せるデヴィッド・ブランドン・ギーティング
続いては、ニューヨークを拠点に活動するデヴィッド・ブランドン・ギーティングをご紹介。彼の作風は、食べ物や雑貨、ファッショングッズなど、身近なものを被写体にして、デジタル加工を施すこと。パーソナルワークに留まらず、ファッション、ビューティ業界のクライアントワークや、『T Magazine』(ニューヨークタイムズ)、『VOGUE』(コンデナスト・パブリケーションズ)などエディトリアル分野でも活躍しています。
数ある作品の中で私が注目しているのは、大麻を被写体としたシリーズ。
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another nugg / PAC MAN OG ? shot for @purebeautypurebeauty ? happy friday y’all ✌️
怪しく毒々しいけれど、どこかポップさもある。個性あふれるその感性を感じてください。
物も人物もコンセプチュアルに。アンドレア・アルテミシオ
スタジオを使い、シンプルな背景で撮影した作品を多く手がけるアンドレア・アルテミシオ。ブツ撮りの作品が多いですが、人物が被写体であってもコンセプチュアルな作風が特徴的です。MARNIやSUNNEIなどアパレルブランドともコラボしています。
私がアルテミシオに注目したきっかけは、『シンプソンズ*』のシリーズを見たことでした。
*マット・グレイニング創作のアメリカのテレビアニメシリーズ
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人物撮影のはずなのに、まるでフリーズしているかのようなこの強烈な作品は、一度見たら忘れられません。
独特な色彩で描く夢の中のような世界。ジャック・ジョンストン
ジャック・ジョンストンは美しいランドスケープ写真で有名になった写真家です。夢の中の風景のような写真が多く、絵画のようでもあります。
ランドスケープ写真で有名になった後、人物も撮影するようになりました。
この絶妙なバランスの淡いトーンが好まれ、現在はファッションフォトやコマーシャルフォトも手がけています。
ドキュメンタリー写真からスタートした“何だか気になる”作品。ワン・イシュー
ワンのキャリアは、ジャーナリストからスタートしました。ドキュメンタリー写真を撮っていくうちに、街角のスナップを撮影するようになっていき、現在は中国の街や人々が被写体となっています。
シャッターのタイミングや構図を少しずらして撮影しているため、“気になる”写真になっているのだと思います。ストロボを使い、その場面を彫刻的に作り上げていることも特徴的です。
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近年、中国の経済的発展は目覚ましく、世界的にも注目されていますが、実際の人々の生活とはずれがあります。ワンは、その現状を表す写真を撮っているのではないかと感じるのです。
セレクトを担当したフォトグラファー:
許 嘉珉(@kyo_kamin)