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  • 動画も“自分ごと化”させる時代に注目のパーソナライズド動画とは
2019.10.08

動画も“自分ごと化”させる時代に注目のパーソナライズド動画とは

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海外の広告では、すでにスタンダードとなっているパーソナライズド動画。その先駆けでもあるイスラエル発のベンチャー企業、SundaySkyのジャパン・カントリー・マネージャー・島村逸平さんとシニア・クリエイティブ・ストラテジー・ディレクターの白幡裕彦さんに、活用ポイントや効果について伺いました。

眠っている顧客情報を活用して、ビジネスの課題を解決

――そもそも、パーソナライズド動画とはどういったものなのでしょうか?

ジャパン・カントリー・マネージャーの島村逸平さん。

島村逸平さん(以下、島村):動画が身近なものになった現代、日常生活でもさまざまな動画を目にしますよね。パーソナライズド動画とは、その動画を見ている人一人ひとりに合わせてカスタマイズして配信していくというものです。

すでにWebサイトで表示されるバナー広告は、利用者の買い物履歴などにより、個々に合わせてカスタマイズされています。ですが動画に関しては、いまだに最初から最後までみんな同じものを見るという仕組みのまま。

このままではいけないと誕生したのが、パーソナライズド動画です。いくつものパターンで撮影した動画の素材を、視聴者のデータを基にAIが瞬時に組み合わせるという技術を開発し、その人にとって役に立つ情報が詰まった動画を使ってコミュニケーションができるようになりました。

パーソナライズド動画作成の目的は、動画を作ることではなく、ビジネスの問題を解決するための手段なのです。

シニア・クリエイティブ・ストラテジー・ディレクターの白幡裕彦さん

白幡裕彦さん(以下、白幡):サンデースカイには、大きくわけて2つのソリューションがあります。既存顧客を対象にした「顧客エクスペリエンス」と、過去に検索した履歴などの情報から顧客に合った動画を配信する「ダイナミック動画広告施策」です。パーソナライズド動画は、顧客エクスペリエンスに分類されます。

特に、パーソナライズド動画で欠かせないのが、“顧客データ”。商品を購入したときや、サイト登録時に回答した、名前や性別、年齢、購入した商品やサービスなどのデータを基にパーソナライズしていくので、顧客データなくしては何も始まりません。

でも日本の企業は、顧客データはあるけれど、その活用が進んでいない企業が意外と多い。そのデータも紙で保管されたままだったり、システム管理しているのが別組織だったりと、管理が徹底されていなかったり……。その結果、データが放置されてタンスの中で眠っている状態になってしまっている。せっかく集めたデータがこの状態ではもったいないですよね。パーソナライズド動画では、この情報を最大限に使って、ビジネスの問題を解決していきます。イメージが伝わるように、パーソナライズド動画をわかりやすくまとめたのが下記の動画です。

パーソナライズド動画制作は、動画作成“前”のプランニングが重要

――パーソナライズド動画はどのように作成されるのですか?

島村:まずはじめに、“お客さんの不満を解消する”、“問い合わせを減らしてコスト削減をする”、“併売を促進する”など、目指すべき目的を決めていきます。先ほども話したように、パーソナライズド動画の目的は、企業が抱えるビジネスの問題を解決すること。なので、動画作成はもちろんですが、このプランニング作業が何よりも重要になります。

顧客データが必須なので、どれほどデータが整っているか、どう活用できるかなどの話し合いも含めて、クライアントとじっくり時間をかけて詰めていきます。

方向性が決まったら、どのタイミングで、どの顧客層に向けて発信していくかを決めます。動画をメールに添付して配信する、HPのマイページにはめこむ、DMに動画を見られるQRコードを付けて送るなど、配信手段もここで決定します。

――まずはどのように伝えるかを決めてから、制作に入るんですね。

島村:そうです。ベースの枠組みが決まったら、次は動画制作のプランナーと一緒に動画の内容や見た目などについてをまとめ、さらにナレーションの分岐などを考えていきます。

ナレーションはロボットの音声を使う技術もありますが、本物の人間の声は聞いたときの心地よさが違う。そのため、サンデースカイでは、ナレーターの声で動画に必要な要素をすべて録音しているんです。なので、パーソナライズド動画で顧客の名前を呼びかけるのなら、トータル数千もの名前を録音することもあるんですよ。

ここまでまとまったら具体的なデザインを考えます。動画のイメージを紙芝居のような「ストーリーボード」というもので表現し、動画の流れの枠組みを決めていくというものです。

そしていよいよ、動画作成に入ります。まずは1~2本サンプル動画を作り、動画の方向性に問題がないかクライアントに最終確認が取れたところで、本格的な製作に入って行きます。完成品に不備がないかをチェックしたら、いよいよ配信となります。

パーソナライズド動画のKPIと、相性のいい企業とは?

――パーソナライズド動画のKPIはどこになるのでしょうか?

白幡:ただ動画を配信したらゴールと思われるかもしれないですが、実はそうではありません。導入するのはただのスタートで、本当の勝負は動画が配信されたあと。動画の再生率はもちろんですが、成果が出ているか、出ていないのならどこを改善すればいいのかまでを一緒に考えていくのが私たちの役目です。

――パーソナライズド動画と相性のいい企業やジャンルはありますか?

白幡:たとえばECサイトを持っていたり、自社で流通できる企業は相性がいいですね。購入履歴や買い物かごに入れた商品の情報があれば、関連商品をおすすめすることができますよね。

電話業界やケーブルテレビ、銀行や保険、クレジットカードなども同様。要は、説明書1枚ではわからない商品やサービスを扱っている企業は相性がいいと言えます。

あとは、ライフタイ厶イベントに合わせて長くサポートするもの。結婚や子供が生まれたタイミングなどに合わせてぴったりな商品やサービスを提案することで、顧客に選ばれ続けてもらえます。

海外では失敗してもとにかくやってみるという国もあります。日本は、少し慎重なのかもしれません。もちろん、ネット上のさまざまな意見は参考として受け入れつつ、インパクトのあることをやっていくことが大事だと思います。

消費者が見て本当に役に立つものなら、多少リスクがあってもチャレンジする価値はある。動画のスピードの速さひとつとってもいろんな意見はあるから、全部に神経質になりすぎる必要はないのです。

――最後に、今後の日本のパーソナライズド動画はどうなっていくと思いますか?

島村:今はまだまだ、パーソナライズド動画は“特別なも”のという存在ですよね。興味を持っている企業もあるのですが、先陣を切るのはハードルが高いと感じるようで、周りが動き出すのを待っている状態です。でも他社が始めると、出遅れたら非常にまずいという思いはある。なのでどこかが始めれば、すぐにスタンダードになっていくと思っています。特に、保険や銀行は非常にマッチするので、すぐに浸透していくのではないかなと。

白幡:今後は、海外にはない日本ならではの切り口で動画を作っていけたら可能性がさらに広がっていくのではないかと私は期待しています。日本人って、少しひねってあるものをおもしろいと感じる傾向があるじゃないですか。なので、海外のものをマネするのではなく、日本独自の文化に合わせてローカライズすることは必要不可欠。
アニメキャラクターやアイドルとコラボしたパーソナライズド動画とか、そういう面白くて話題になるものを作っていきたいですね。

まとめ

自分ごと化されたパーソナライズド動画は、自分に有意義な情報が届いたり、無駄のないマーケティングができたりと、顧客にも企業にもメリットがたくさん。
動画作成にはデータが必須ですが、データがない、または管理ができていないとしても、データの収集・管理からスタートしていけば問題ありません。時代に遅れないためにも、今このタイミングでパーソナライズド動画に目を向けてみていかがでしょうか。

テキスト:石部千晶(六識)
撮影:大竹ひかる(アマナ)

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