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  • Instagramの動画コンテンツでユーザーと距離を縮める3つのポイント
2020.01.21

Instagramの動画コンテンツでユーザーと距離を縮める3つのポイント

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動画配信プラットフォームとして多くの企業が活用するInstagram。どのように活用すれば、ユーザーに響くのでしょう? フェイスブックジャパンでクリエイティブストラテジストとしてInstagramの動画広告ノウハウを熟知し、現在も多くの企業の動画広告のコンサルを手がける栗山修伍さんに聞きました。

実はハードルが低い? Instagramの動画活用

――現在、Instagramで動画広告や動画コンテンツを活用している企業に特徴はありますか?

栗山修伍さん(以下、栗山。敬称略):動画というと作るのに手間やお金がかかるイメージもあり、大きな予算がないと作れないと思われるかもしれません。しかし、導入している企業は大企業から中小企業まで規模も幅広く、業種もバラエティに富んでいます。事実、フェイスブックジャパンでは、地方都市の小規模事業主向けの動画広告セミナーもよく開催していました。

かつてのInstagramユーザーは圧倒的に女性が多いイメージがありましたが、現在男女比の差は縮まっていて(※1)、多様な企業が導入している背景には、こうして多様化・一般化してきたこともあると感じています。Instagramのミッションは「Bringing you closer to the people and things that you love(大切な人や大好きなことと、あなたを近づける)」。利用者が、家族や友人などの “人” はもちろん、“興味・関心” とつながることができるプラットフォームを目指しており、後者には企業とのつながりも含まれます。規模や業種を問わず、さまざまな企業と利用者がつながっている現在は、理想に近づいてきたとも言えますね。

※1…2018年11月にInstagramが発表した国内のユーザー比率は女性57%、男性43%。その差が縮まっている。

栗山 修伍|Shugo Kuriyama イタリアSPD Milano修士。帰国後、楽天株式会社でグローバルマーケティング部門に所属。ブランドマネジメント室室長を勤め、アジア、アメリカ、ヨーロッパでのグローバルブランディングに従事。2017年フェイスブック ジャパン入社。クリエイティブストラテジストとして、世界中の企業を対象にInstagramの広告クリエイティブディレクションに携わる。現在は、自身が経営する9, IncでCEOを務め、主にスタートアップ企業のブランドコンサルテーションを行なっている。2019年には、サイバークラフト株式会社(港区・赤坂)を創業メンバーとして立ち上げ、デジタル広告のクリエイティブ・広告運用の最適なパッケージを提供している。

——多種多様な企業や店舗に対して、Instagramで効果的な動画についてはどのように話していますか?

栗山:企業がInstagram上で動画広告を配信する際、「ハイクオリティ且つ高画質な動画素材が必要なのでは?」「そうなると、高価な機材やプロの撮影チームが不可欠になるのでは?」と、構えてしまう方もたくさんいらっしゃいます。ですが、必ずしも高画質、ハイクオリティな動画が求められているわけではない場合も多いと思います。Instagramは基本的に、スマホで視聴するプラットフォーム。手のひらに収まるサイズでしか再生されないので、スマホで撮影した動画でも十分な場合も多いです。

また、Instagramは多くのユーザーにとって、1日のうちに何度も見る身近なメディア。より距離感の近い、親しみある画のほうが響くことも多いと感じます。映像のクオリティを重視するよりも、そうしたユーザーの視聴環境も含めた“プラットフォームの特性”をふまえて、ユーザーとの距離をいかに縮められるかどうかが、効果的なInstagram動画広告を作る上では重要な要素です。

勝負は「1秒」で決まる

――プラットフォームの特性をふまえた動画制作のポイントはありますか?

栗山:3つあって、1つ目は“最初の1秒で惹きつける”ことです。なぜなら、ユーザーは静止画でも動画であっても、フィードに流れる投稿から興味関心を即座に判断し、非常に速いスピードでスクロールする特性を持つためです。1秒で惹きつけられなければ、スクロールする指を止めることはできません。冒頭で惹きつけ、伝えたいメッセージを直ぐに理解してもらえない場合、残念ながら広告配信は無駄な結果に終わってしまいます。TVCMやYouTube用に作った動画をそのまま流用するのではなく、素材は同じであってもInstagramの配信用に編集し直すことで、圧倒的にその効果は変わってきます。

——一瞬の勝負だと、直感的に理解してもらうためにビジュアルの力がより必要になりますよね。

栗山:そうですね。一瞬で判断されるので、理屈っぽく伝えようとすると失敗してしまうプラットフォームでもあると思います。伝えたいことが瞬時に直感で伝わるよう設計する必要があります。

コンテンツの親近感はどう生み出す?

——Instagramで動画コンテンツや動画広告を見てもらうための2つ目のポイントはなんでしょうか?

栗山:ビジュアルのインパクトだけでなく、「自分ごと化」してもらうことです。「自分のためのコンテンツだ」と感じてもらうためには、単にInstagramを意識したおしゃれな雰囲気の動画を流すだけでは効果がありません。

——では、「自分ごと化」してもらうには、どうすべきでしょうか。

栗山:たとえば、Instagramの利用者に自社のダウンジャケットのよさを伝えたいとき、TVCMではターゲットとする消費者全体に対して、ダウンジャケットの魅力を伝えるような形式でも成立しますが、Instagramは違います。

たとえば、アウトドアに興味がある特定のセグメントをターゲティングすることができるので、キャンパーや登山家がダウンを着て商品の魅力を伝える広告の方が響きますし、ユーザーにとって身近なインフルエンサーが、着こなし方のポイントを解説しているとほしくなる人もいるでしょう。人によって異なる「親近感」を覚えるポイントをしっかり考え、身近なコンテンツに落とし込むことが肝要です。

興味のかけ合わせは検証で見いだす

——では、3つ目のポイントを教えてください。

栗山:3つ目のポイントは、当たり前のようですが仮説検証を繰り返すこと。「自分ごと化」のポイントをつかむためには、いろんなパターンの見せ方を試し、どんなユーザーがどんな興味を抱いているのかを見つけることが重要です。

たとえば「製品の特徴」、「ベネフィット」、「イメージ(世界観)」など、伝えたい内容に合わせて見せ方を数パターン用意して配信し、それぞれを分析します。広告クリエイティブごとインサイトはもちろん、フォローやいいねしてくれたユーザーがどんな投稿をしているか、どんなアカウントをフォローしているかを細かく見ていきます。

こうしてユーザーを細かく追いながら、仮説検証を繰り返してクリエイティブを作り、興味を感じてもらえるポイントを探っていくと、自ずとどのような内容が求められているかが見えてきます。そして、そこで見えてきた興味の掛け合わせは、オーガニック投稿にも反映させましょう。

——広告ではなく、オーガニック投稿なんですね。

栗山:広告で興味を持ったユーザーの多くは、広告主のInstagramアカウントをチェックし、オーガニック投稿も確認することが多いからです。ユーザーは、ブランドがどんな投稿をしているかを見てみたいと思っていますし、そこでハマれば、アカウント経由でショッピング機能でのコンバージョンや、LP(ランディングページ)への遷移も期待できます。

Instagramの本質をとらえた活用を

——ここまで3つのポイントを伺いましたが、そのノウハウはInstagramで何を叶えたいのか、という目的があってこそ効果を発揮するものではないかと思います。その点に関しては、どのように考えていますか?

栗山:コンバージョンが上がる動画コンテンツの制作ノウハウや、分析結果をふまえて投稿内容を変えていくことはもちろん大事ですが、それだけを追うことは本質的ではありません。

栗山:以前、地方の飲食店に焦点を当て、アジア圏からの旅行客向けにインバウンド施策を実施したのですが、当時お店側は旅行客にどうリーチしていいかわからず、一方、旅行客はおいしい日本のローカルフードを食べたくても情報を得る術がありませんでした。そこで実施したのは、ジオターゲティング広告(※2)を使って、アジア圏からの旅行客に動画広告を流すこと。

おいしそうなローカルフードを紹介する動画動画をストーリーズで配信し、リンクをスワイプアップすると、店舗までの地図が表示されるという仕組みです。お店のアカウントを開くと、食事メニューの写真とともに、中国語や韓国語でメニューが表記されていて、IGTVでは店主が店を作るまでの物語を見ることができる。お店に訪れてからも使える、楽しめるコンテンツを用意しています。この施策はお店とお客様、双方の課題解決につながったうえに、Instagramのミッションである「大切な人や大好きなことと、あなたを近づける」ともつながっています。

※2…利用者の位置情報を利用したマーケティング手法。 ターゲットの現在地や居住場所に合わせた情報提供が可能で、地域に密着した広告やサービスを効果的に配信し、認知を向上できる。

「どんな動画がいいか」「どういう投稿をすべきか」の前に、ユーザーが抱いている課題を見つけ、本気で解決しよう、という視座が重要なのだと思います。広告の効果の先に何を叶えたいのか、そこに目を向けることがInstagramをうまく活用する近道なのではないでしょうか。

まとめ

Instagramの活用にまず必要なのは、ユーザーが何を求めているのかを知ること。次に、自社製品やサービスとの接点を見つけ、どのように見せればユーザーとのマッチングが生まれるのかを考えることが大切です。目的を持ったうえでプラットフォームの特性や、そこに集まるユーザーを理解し、プラットフォームを活用することで、Instagramのポテンシャルを引き出すことができるのです。

インタビュー・テキスト:箱田高樹 デザイン:下出聖子(amana design studios)

※取材時、栗山さんはフェイスブックジャパンを退職されており、在職当時の知見・経験と現在の個人的な見解を合わせてインタビューにお答えいただきました。

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