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  • コンテンツの質と量を両立するコンテンツマーケティング
    TANAKA HDがオウンドメディア「Elements」で取り組む手法とは?
2022.01.12

コンテンツの質と量を両立するコンテンツマーケティング
TANAKA HDがオウンドメディア「Elements」で取り組む手法とは?

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明治18年の創業から130年以上も貴金属関連事業を展開する田中貴金属グループは、その産業事業グローバルサイトにおいて2015年に貴金属の素材・応用技術を紹介するオウンドメディア「Elements(エレメンツ)」を開始しました。2018年からアマナが提供するサービス「CMAS(Content Marketing Advisory Service)」やコンテンツマーケティング・プラットフォーム「NewsCred(ニュースクレド)」を導入し、2020年4月にはサスティナビリティやテクノロジーの情報を発信するWebマガジンとしてリニュアルオープンしました。コンテンツマーケティングの本格的な運用に着手した経緯やその狙いについて、TANAKAホールディングスの島野和子さんと小柴恭平さんに伺いました。

抱えていた課題
・動画を中心に展開していたため制作に大きな時間とコストがかかり、定期的かつ潤沢なコンテンツ提供が難しかった。メディアの方向性も定まっていなかった

取り組みのポイント

・最初にサイトの方向性を整理し、目的に合ったコンテンツを見極める。ライセンスドコンテンツの活用によりコストと時間を抑える

成果
・海外メディアからクオリティの高い記事を掲載することで安定して運用できるようになっただけでなく、アクセス分析を基にしたコンテンツ施策が可能になった

コンテンツ制作にかかる時間や手間、コストが大きな課題だった

TANAKA HDが運営する産業事業グローバルサイトでは2015年からオウンドメディア「Elements」を展開してきました。当時は自社が持つ貴金属の素材・応用技術を動画で紹介するというものでしたが、運営していく上でコンテンツ作りにかかる時間や手間、コストについての課題を感じていたと語ります。

「元々『Elements』にアップする製品動画や、展示会で流す動画などをアマナデザインさんに制作していただいていました。しかし自社で映像を作るとなると、撮影スタッフに工場に来てもらったり、海外の展示会に同行してもらったりと、結構な労力とお金がかかります。オウンドメディアを運営する上ではコンテンツの量も重要になります。限られた予算の中でコンテンツの質と量を確保することが課題でした」(小柴さん)

そんな中で、ライセンスドコンテンツを活用して質と量を保ちながら精度を上げていき、オーディエンスにリーチする仕組み作りをする『コンテンツマーケティング』という手法をアマナから提案されたといいます。

TANAKA HDが運営するオウンドメディア「Elements」。貴金属に関するさまざまなコンテンツを掲載している。

「自社メディアにコンテンツを追加していき、コンテンツに触れた方がだんだんと自社のファンになっていく。さらに実際に製品などにも興味を持っていただき、その製品が必要になってくると、弊社にお問い合わせをいただけるチャンスになる。その点に魅力を感じたため、アマナさんのコンテンツマーケティング・プラットホーム『NewsCred』の導入に至りました」(小柴さん)

サイトの方向性を煮詰め、誰に、何を届けるのかを見直していく

コンテンツマーケティングに取り組む際、2018年4月から5月まで、計4回にわたりアマナとWebサイトの方向性を煮詰めていきました。

「マーケティング経験者はいたものの、なかなか専門的な知識を実際に学ぶことがなかったので、コンテンツマーケティングについて理解を深めたことがとても大きな学びでした。自社サイトを誰に向けて伝えていくべきなのか、改めて深く見直すことができました」(島野さん)

「コンテンツに触れた人が、さらに興味関心を深めてお客様になっていただくという手法に、コロナ禍以前から取り組めたことは大きかったと思います」(小柴さん)

方向性を定めていく中で、サイトのKPI(重要業績評価指標)やKGI(重要目標達成指標)はどのように決めていったのでしょうか。

「フレームワークを作り上げる中で、まず誰に読んで欲しいのか、どういう記事にしていきたいかとかいう『編集コンセプト』を一緒に考えていきました。私たちが運営するサイトは材料を提供するBtoB事業ですが、新規事業のきっかけとなるよう業種は絞らず、一般企業の製品開発部門の方や経営者の方などに記事を届けたいと考えていました。コンテンツのテーマについては、貴金属メーカーなので貴金属に関する記事や、貴金属に関わる新技術などを取り上げていこうといったことを議論しました」(小柴さん)

コンテンツマーケティングに取り組むにあたり、自社サイトの編集コンセプトなど、基本的な方向性を整理することから取り組んだ。

2018年10月のスタート当初は、数値としてのKPI設定はせず、まずはサイトのアクセス数やコンテンツごとのPVが全体的にどのように底上げできるのかを見ていくことにし、その上で具体的な施策を検討していくことにしたといいます。そのため、最初の1年間は自社コンテンツやライセンスドコンテンツを掲載することでコンテンツを増やし、アクセス推移を分析していきました。

「リニューアル後はいったんアクセスが落ち着いてしまったのですが、そこから少しずつ上がっていきました。ライセンスドコンテンツやオリジナルコンテンツがうまく回り始め、ビューの多いコンテンツが増えたことでWebサイトへのアクセス数もかなり上がってきました。総合的にとらえて効果は大きかったと思います」(島野さん)

1年目の成果を島野さんは次のように振り返ります。

「当初は分析できるデータはまだ少なかったものの、続けるうちによく読まれるコンテンツがどういったものか見えてくるようになったのです。それによって2年目(2019年秋)からの施策を検討することができました」(島野さん)

“キラーコンテンツ”が見えたことで、さらなる施策へと

1年を通じて「Elements」へのアクセスを分析していく中で、反応が特にいいコンテンツ、つまり「キラーコンテンツ」が見えてきました。

「弊社の事業に直結する工業材であるパラジウムやロジウムの価格に関する記事など、何本か長期間にわたってアクセス数が多い記事がありました。金やプラチナなど一般に公表されている消費財に近い貴金属と違って、価格に関する情報がすごく少ないという事情もあるでしょう。弊社の事業に親和性の高いコンテンツは一定以上のニーズがあると感じました」(島野さん)

2年目は、こういったキラーコンテンツに近いカテゴリーの記事を探しながらサイトを編集していきます。

「日本ではアクセスがあるけれど海外では弱いといったコンテンツもあります。では海外では何が読まれるのか、といった課題に取り組むなどアップデートしていきました。ただ、ジュエリーとしての貴金属に関する記事はすぐ見つかるものの、産業材としての貴金属に関するコンテンツはライセンスドコンテンツ全体を見ても少ないため、そこは課題でもあります」(島野さん)

サイトのリニューアル後、最初のキラーコンテンツとなったパラジウムをテーマにした記事

ライセンスドコンテンツを活用し質と量を保つのはコンテンツマーケティングを進めていく上で重要ですが、さらに自社に関するコンテンツの拡充も検討する必要がありました。

「元々のオリジナルコンテンツは動画でしたが、コストや手間がかかってしまいます。そこで、弊社の社員が寄稿したり取材を受けたりしてメディアに掲載された記事を、翻訳などの許可も含めてライセンスをいただき、Elementsに掲載するといったことも行いました」(島野さん)

「米国のWebメディアにタイアップコンテンツを依頼するなど、影響力のあるメディアにコンテンツを作ってもらい、自社サイトにも同メディアの記事をアップすることで、他メディアの読者をElementsに誘導するといった取り組みもしています」(小柴さん)

社内からの評価も上がり、手応えを感じる3年目

現在(2021年)はWebサイトのデータ分析をベースにアマナと年4回の編集会議を開きながら、毎月5本のライセンスドコンテンツを掲載しています。

「編集会議では主に記事オペレーションの精度を上げていく方法を議論しながら、アクセス数の多い記事をどのように落とし込むかが中心になっています。現在の指標のひとつに英語サイトのアクセス増があるので、分析しながら取り組んでいるところです」(島野さん)

コンテンツマーケティングに取り組んだことによる変化として「問い合わせ数の増加」「社内からの声」と二人は言います。

「Elementsを含めたトータルのコミュニケーション活動の成果かもしれませんが、リリースや新しい技術などについて、お問い合わせが増えているという声が事業部から届いています。それは成果のひとつですし、コンテンツの分析を見ると、国内や米国、中国などの人が読んでくれていることを実感します」(小柴さん)

「社内から『このコンテンツがすごく面白いね』といった声が上がってくるようになりました。『お客様に説明や紹介するときに使った方がいい』といった声もあり、社内全体的に好意的な意見をもらっています」(島野さん)

コンテンツマーケティングに取り組んで3年目に入った「Elements」。今後も技術トレンドを中心に環境やESGテーマなど、興味関心を集めるキーワードや新規コンテンツの検討に取り組んでいるそうです。

 

文:安蔵 靖志
AD[top]:片柳 満(amana)
編集:桑原 勲(amana)

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