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  • ドローンビジネスの現状とドローン撮影の許可申請のコツ
2018.05.10

ドローンビジネスの現状とドローン撮影の許可申請のコツ

古賀 心太郎
株式会社アマナビ Drone Expert
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    ドローン

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ドローン市場の現状と、飛行申請や法律許諾取得のポイントについて解説。ドローン専門メディア『DRONE MEDIA』の編集長を務める岩崎覚史さん、アマナビ空撮チームairvisionのパイロットであり、ドローン関連の法務も担当している古賀心太郎がお伝えします。

※本稿は、2018年3月17日(土)に開催されたセミナー「amana drone seminar Vol.1」より一部抜粋したものです。

拡大し続けるドローン市場

※以下、岩崎さんの講演内容より抜粋。

「ドローン」という言葉が世間一般に出始めたのは2015年。翌年は「ドローン元年」と呼ばれ、ドローン空撮に注目が集まり、CM、PVなどの撮影でも頻繁に取り入れられるようになりました。

機体の性能は年々向上。これまでドローンの課題とされていたGPSのない環境での安定飛行も可能になり、小型化が進むなどさまざまなタイプのドローンが開発されたことで、現在では写真・映像分野だけではなく、測量や点検など、あらゆる分野での活用が進んでいます。

インプレスのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所によると、2017年の国内におけるドローンビジネスの市場規模は503億円、2018年は860億円で、以降も2020年は1,753億円と拡大し続けるとの予測を出しています。

岩崎覚史さん(『DRONE MEDIA』編集長)。

ドローンビジネスに取り組む人口も増加

需要の高まりにつれて業界に参入する人口も増え、早くも「飛ばして撮る」だけでは生き残れない状況になっているのが現状。そのため、せっかくドローンスクールを卒業しても仕事がない、価格競争に巻き込まれてしまう、という方も少なくありません。

ドローンビジネスを行うためには、パイロットとしての技術力だけでなく、営業力も欠かせません。「人が入れない場所がある」「人件費を抑えたい」など発注元の業界事情を知ることで、相手の課題を理解し、その解決手段としてドローン活用を提示できます。

自身の付加価値を高めるためにも、なぜドローンが求められているかを考え、業界動向を把握しておくことを意識しましょう。

業界別、ドローン活用のヒント

今回はドローン市場の中でもっとも伸びると見られるサービス分野の中から、特に注目すべき業界の動きをご紹介します。

◆土木・測量

国土交通省が推進するi-Constructionを背景に、土木建築現場でドローンを使った写真測量が行われています。最近ではレーザースキャナーとドローンを掛け合わせた測量により、写真測量よりも的確に、素早い測量が可能になっています。

公共工事では、北海道千歳市の道央圏連絡道路泉郷改良工事で初めてドローン測量が取り入れられ、起工測量に1週間かかるものが3日に短縮できたことが報告されています。

◆農業

人手不足が叫ばれる農業界では、ドローンは農家の負担を軽減するために使用されています。中でも農薬や肥料の散布は手間も時間もかかり大きな負担。ドローンに農薬を入れたタンクを装着して散布すれば、この作業を一人で効率的にカバーすることができます。

そして実用に向けて研究が進むのが、ドローンでの精密農業。機体にスペクトルカメラを搭載して、定期的に農場の空撮を実施するもので、そこから取得したデータをもとに、育成状況から肥料量の算定までを行います。ドローンで作物の一括管理ができることで、人手のない農家でも効率的な農業が可能になると期待されています。

◆インフラメンテナンス

サービス分野の中でも成長が確実視されているのがインフラメンテナンス。2012年に山梨県で起きた笹子トンネル天井板落下事故以降、社会インフラの点検頻度を上げることが義務付けられています。しかしこの作業が大きな負担となって業界にのしかかっているのです。

たとえば橋梁(きょうりょう)の検査では、亀裂や破損がないかを確認するために国土交通省が策定したガイドラインがあり、それをクリアするためには数百万円のコストがかかります。さらに高所での作業になるため、作業者に対して安全対策を講じなければいけません。

この対策として、ドローンの活用が検討されています。安全に点検を行えるようになるだけでなく、物件に近づきやすいため不良箇所が簡単に発見できるようになり、コストダウンにもつながります。

◆物流

EC事業が拡大する一方で、宅配便値上げのニュースが飛び交い、人手不足に陥る物流業界では、配送をドローンで代替する実験が進められています。

この動きは世界各国で行われているものの、現時点では先進国において安全面や法律整備がクリアされていないため、本格的な導入にまではいたっていません。将来的な実現に向けては、そこをどう調整していくのかが普及の鍵。そのため現時点では海上用ドローンの方が見所ありと考えられています。

 

当日の展示より。

相次ぐ事故が法改正のきっかけとなる

※以下、古賀の講演内容より抜粋。

ドローン市場が拡大する一方で、飛行に関する法律は世の中の動きを背景に、徐々に明確に定められるようになっています。

首相官邸の屋上や長野県善光寺など、立て続けにドローン落下事件が起こった2015年。このような事件等を背景の1つとして、2015年末には航空法が改正されました。それまでは飛行に制限がなかったドローンも、飛行場所・時間などが定められるようになり、現在では飛行方法や場所によっては、国交省が管轄する航空局や空港事務所に許可申請を出す必要があります。

しかし法律制定後もドローンにまつわる事件は頻発。国土交通省に報告されているだけでも、2018年1月現在、ドローンに関する事故は累計で118件も報告されています。

古賀心太郎(アマナビ空撮チームairvision)。

人身事故の発生により、飛行制限が厳格化

昨年末には、岐阜県の「ロボフェスおおがき2017」のイベントの中で、ドローンでお菓子を撒いたところ、機体が落下。これにより参加者6人が軽傷を負う事故が起きました。実はこれが、一般人に被害を与えたドローン初の人身事故として大きく取り上げられ、業界に大きなインパクトを与えました。

この事件を受けて、今年の1月31日、イベント上空の飛行に関しては、機体の安全性の確認や風速制限、速度制限、飛行範囲の制限など、詳細な数字で明示した新ルールが国土交通省から発表されたのです。

このように重大な事故の場合は、法律のルール変更や改正にまで発展する可能性があるのです。

包括申請では飛行許可を得られないエリアや飛行方法がある

ドローンを業務で使用している方の多くは、飛行場所を特定しない、あるいは一定の期間の飛行許可を得る「包括申請」を行っている方もいます。しかし、高速道路や鉄道の周辺、イベント会場の上空などは原則として「包括許可」が下りません。このような場合は個別申請が必要。複雑に感じますが、ポイントを押さえれば、スムーズに許可を得ることができるようになります。

飛行申請は、具体的な飛行プランを明記せよ

航空局へ飛行申請する際は、細かな飛行プラン、安全対策を申請書に明記することが、飛行許可を得るうえでのポイントになります。たとえば、飛行範囲や高度の上限設定、操縦者の立ち位置や補助員の配置など、どのようにドローンをフライトさせるのかを図などを用いて具体的に資料化することです。

さらに、必要に応じて、高速道路など、付近での飛行が禁止されている各施設の管理会社へ届け出などを提出することで、飛行の準備は整います。

ここで気をつけたいのが、市区町村によって飛行を規制する条例が出ている自治体もあること。航空局や管理会社のほか、各自治体や市役所等にも確認を取るべきでしょう。

詳しい許諾申請のポイントや飛行に際してのリスクの把握のためには、国土交通省ホームページで確認することができる「安全な飛行のためのガイドライン」、またそれに準ずる標準マニュアルが最新であり間違いのない情報。手元に置いておくことをおすすめします。

ドローンを正しく使えば、ますます活用が進む

今後ますます活用の範囲が広がるドローン。業界参入のためには、各業界の動向を知ることに加え、飛行に潜むリスクを理解しておくことが欠かせません。安全な飛行を心がけることで、今後ますますドローンの力が必要とされるようになるはずです。

今回掲載した事例などは、セミナーのほんの一部です。セミナー中では多くの業界情報や最新の法令、申請書の記載例などを紹介しています。アマナビでは今後もドローンに関するセミナーを開催予定。ドローンビジネス参入を検討されている方は、ぜひご参加ください。

テキスト:かみむらはるか

 

プロフィール

岩崎覚史

『DRONE MEDIA』編集長

慶應義塾大学で哲学を、東京造形大学でデザインマネジメントを学ぶ。2015年2月に日本初のドローン専門メディア『DRONE MEDIA』を立ち上げ、編集長に就任。国内外のドローン関連情報の発信を行うと同時に、空撮、コンサルティング、イベントプロデュースなども手がける。規模としては日本最大級のドローン交流会「DRONE MEETUP」を主宰。Best of Japan Drone Award 審査員。

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